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普通の人のエコロジー入門
第1章 なぜ、普通の人のエコロジー?
地球にやさしくとは言うけれど・・・(その4)

ロッキングオン「H」での連載が永く続いたおかげで、エコロジーに関わる多くの人との出会いを体験し、結果的に2ヶ月に一度、文章ができあがっていった。
せっかく書いたその文章の命を2ヶ月で終わらせるのはもったいない。そこでウェブサイトを立ち上げることを考えた。

それが1999年4月のことだ。

せっかくウェブを立ち上げるわけだから、多くの人に親しんでもらうものにしたい。そのためにはまずは研究!というわけで、環境系のウェブサイトをのぞいてみることにした。すると環境系サイトで紹介される情報は、お固いものであったり、難しいものであったり、一方通行のものであったり、浮世離れしているものが多いのに気づいた。
たしかにインターネットはなんでもありの世界だ。だが、そのなかでエコロジーに目覚めた普通の人がなにを情報のよりどころにすることができるのだろう。ふと、そんな疑問がわいてきた。

「環境のことを考えなきゃいけない。だけどなにから始めたら良いかわからない」

そんな声が国民の6割を占めるのは、環境情報の伝え方に問題があるのかもしれない。こうした問題意識がその後の活動の核となっていった。

当時、このウェブサイトから「エコロジーオンライン」という活動が生まれることは自分でも予想してはいなかった。そこで、国でもなく、地方自治体でもなく、大学でもなく、企業でもなく、NGOでもない、そんなごく「普通の人」がエコロジー情報を発信するウェブサイトをつくってみたらどうだろうと考えたのだ。

そこでつけたウェブのタイトルが「普通の人のエコロジー」だった。

全く1人からのスタート。すべてを自分の手でつくった。
あれから5年。立ち上げの時の思いは変わってはいない。EOLのウェブサイトは、いまだになんの補助金も、なんの広告料もいただいてはいない。この部分をお金に代えてしまわない方が、多くの人に愛されるサイトであり続けるのではないかという気がする。

だがそのなかで確実に変化したものもある。

僕ひとりで行っていた原稿の編集、ウェブデザイン、翻訳などの作業は世界中にいる仲間たちが引きうけてくれることになった。彼らの努力のおかげでメールニュースやウェブサイトの編集が行われている。そして運営の主体も、僕個人からこのウェブをきっかけに誕生したエコロジーオンラインというNGOが運営するサイトに変わった。

最近ではありがたいことに、僕らのやっている活動をなにか大きな組織がやっているように誤解している人も多い。だが、いまだに最初の立ち上げた頃の“家内制手工業”的な本質は変わっていない。僕らには、他の団体が持っているようなしっかりとした事務所もないし、いまだに専従職員もいない。エコロジーオンラインが大きな団体のように見えるのは、年齢、性別、国境などの境界を越え、様々な職種の仲間たちがウェブサイトやメーリングリストを通して、ひとつの情報を共有することから生まれるスピード感や柔軟性が大きく影響しているのかもしれない。


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上岡 裕 (カミオカ ユタカ)

1983年4月、国際基督教大学卒業後、(株)ソニーミュージック・エンターテインメント(SME)入社。在職中は大江千里、エレファントカシマシなどの宣伝を担当。91年4月、SME退社後、フリーライターに。1991〜1992年にかけ、アメリカ西海岸バークレー市に滞在。インターネットに出会う。1999年5月、インターネットメールマガジン「普通の人のエコロジー」創刊。2000年3月、エコロジーオンラインを創立。


 

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