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普通の人のエコロジー入門
第2章 
目指せエコビレッジ!・・・(2)

バイオマスでつながるロックフェス、エコビレッジ

 毎年この時期になると、エコロジーオンラインは、全国のロックフェスティバルに関わることは多くなります。
昨年までは2年続けて、北海道石狩市で実施されるライジングサンロックフェスティバルでカフェを運営。音楽のお祭りに遊びにやってくる数万人のお客さんに対して、地球温暖化の問題を知ってもらったり、大量に出るごみの減量化対策を手伝ったりしてきました。

 今年もやはり、夏に行われるいくつかの象徴的なイベントのお手伝いをしています。そのうちのひとつが坂本龍一さんのコンサートで、およそ10年ぶりとなる彼の日本公演にあたり、会場での環境対策について協力してくれないかという問い合わせでした。僕らはこれまで環境省とともに、音楽イベントで使われることの多い使い捨てのカップを「リユースカップ」という何度も洗浄して使用するカップへと切りかえてもらう取り組みを行ってきました。そうしたことを坂本さんのコンサートでも検討されているようでした。

 そのお話をうかがって僕らが提案したのが植物から生まれる植物プラスチックカップの使用です。
 これまでのプラスチックはおもに石油から生み出されてきました。プラスチックを大量に使えば、石油の枯渇が早まりますし、ごみとして捨てられても自然のなかで分解されず、焼却されれば地球温暖化をもたらす二酸化炭素を排出してしまいます。こうしたことを防ぐために僕らはリユースカップの利用を進めてきました。一方、今回使用される植物プラスチックのカップはトウモロコシなどの植物から生まれたもので、ごみとして捨てた後も生分解性といって自然界のなかで分解されるもの。今回はさらに、九州工業大学の白井義人先生に協力してもらい、使用済みのカップを回収し、もう一度、新しい素材として使用されるネットワークを組みます。

 こうした植物や動物から生まれたエネルギーや素材のことを“バイオマス”と言います。先ほども言いましたが、石油の枯渇や、地球温暖化が叫ばれる現代社会にあって、“バイオマス”という資源にいま脚光があたっているんですね。
 もうひとつお手伝いしたフェスティバルにフジロックフェスティバルというものがあります。
こちらも一部のステージで天ぷら油などの廃食油をディーゼル燃料に変えたBDFという“バイオマス燃料”をつかっています。

 僕らもあき津亭で行っているエコビレッジ事業においては、この“バイオマス”という考え方を中心にいろいろなトライをしてみようと思っています。
 そのうちのひとつが、渡良瀬遊水池に大量に生えているヨシの利用です。古くは茅葺き屋根やよしずの材料などとして、様々な建築資材として使われてきたヨシの利用を地域のなかで見なおすことで、渡良瀬遊水池の生態系の保全と、身近に存在するバイオマス資源をどう生活に生かしていくかという自然系と生活系のエコロジーを考える取り組みです。このプロジェクトは板倉町にある東洋大学の地域活性化研究所さんとの共同の取り組みとなっていきます。

 将来、僕らのエコビレッジでも、フジロックフェスティバルのように、植物から生まれた燃料で軽トラックが走り、自然のなかで循環する素材を中心に使用することができればいいな〜と作戦を練っている最中なんです。


上岡 裕 (カミオカ ユタカ)

1983年4月、国際基督教大学卒業後、(株)ソニーミュージック・エンターテインメント(SME)入社。在職中は大江千里、エレファントカシマシなどの宣伝を担当。91年4月、SME退社後、フリーライターに。1991〜1992年にかけ、アメリカ西海岸バークレー市に滞在。インターネットに出会う。1999年5月、インターネットメールマガジン「普通の人のエコロジー」創刊。2000年3月、エコロジーオンラインを創立。


 



ライジングサンロックフェスティバルでカフェを運営



リサイクル事業に使われる植物プラスチックのカップ。農水省も絡むこの事業が実は世界初。


Re-Style Liveで使用されたリユースカップ

 

 

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