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普通の人のエコロジー入門
第2章 
目指せエコビレッジ!・・・(3)

ハワイへのエコツーリズムでエコビレッジのことを考えてみた

ひさしぶりにとれた長期の夏休み。家族とともにハワイ島を訪れました。
多くの方が知っているとは思いますが、ハワイ島は世界でもっとも活発な火山・キラウエアを抱える島。また、冬には雪もいただくマウナ・ケアという4,000mを越える山があることでも知られています。

ハワイというと、スキューバやゴルフ、ショッピングなどで有名ですが、そうした娯楽の多くを提供するのがオアフ島です。それに対して、僕らが訪れたハワイ島や、マウイ島、カウアイ島などは、まだオアフ島のようには開発されておらず、手つかずの自然が残されているエリアだと言えます。
僕らはそこで満点の星空に感動をしたり、ゆったりとウミガメと泳いでみたり、巨大なクレーター形成するキラウエア火口で自然のすごさに驚いたりと、日本ではなかなかお目にかかれない体験をしてきました。
こうしてかなり長いと思っていた10日間の旅もあっという間に過ぎ、成田に戻る空港の書店である雑誌に目が止まりました。
ウミガメを表紙にした「Hawaii」という雑誌です。

おみやげにでもと手にしたその雑誌に次のような記事を発見しました。
CULTIVATING TOMMORROW'S LEADERS
日本語に訳すと「未来のリーダーを育てる」といった内容の記事。これが僕らが手がけようと思っているエコビレッジとも共通する内容でした。
この記事の主役になっているのはカウアイ島に住むカイミ・ハーモシュラという22歳の青年です。家族の畑でタロイモを育てたり、伝統的な漁法で魚をとったり、子どもたちに自分たち固有の文化を教えることにチャレンジしています。

カウアイ島も他の島々と同じように開発の手が伸びてきて、彼の先祖がこの島で営んできたような生活をすることが難しくなってきていると彼は主張します。
彼の子どものころには自由に狩りができた土地には新しい所有者が生まれ、もはや入ることさえできなくなってしまいました。下手に入ると警察さえ呼ばれてしまいます。そして今、自分たちのタロイモを生産する畑も奪われつつあると言います。元々は自然のなかで様々な糧や癒しを得ていた彼らの生活自体がその潤いを失い、多くのストレスが自分や子どもたちをとり巻いていると。

こうしたことはそのまま日本にもあてはまることのように思えます。これまで自分たちの手によってつくれたものが、その生産の場を徐々に失ない、大量生産の商品によって置き換えられていく。
僕らの団体でボランティアをやってくれていた有名大学の大学院生さんがこんなことを言っていたことがあります。
「これまで自分でなにひとつくったことがないんです。それが僕の恐怖なんです」
こうした時代への対応策として僕らが藤岡町で行っているエコビレッジでは手づくりということがひとつのキーワードになっています。当然、カイミと同じように日本の伝統的な手法を守っていきたいと思っています。
このように世界各地には僕らと同じような人たちがたくさん生まれてきています。そうした人たちとエコツーリズムのような形を通してどんどんつながっていければいいな〜と考えています。


上岡 裕 (カミオカ ユタカ)

1983年4月、国際基督教大学卒業後、(株)ソニーミュージック・エンターテインメント(SME)入社。在職中は大江千里、エレファントカシマシなどの宣伝を担当。91年4月、SME退社後、フリーライターに。1991〜1992年にかけ、アメリカ西海岸バークレー市に滞在。インターネットに出会う。1999年5月、インターネットメールマガジン「普通の人のエコロジー」創刊。2000年3月、エコロジーオンラインを創立。


 









 

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