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普通の人のエコロジー入門
第2章 
目指せエコビレッジ!・・・(5)

「木づかいの生活」をはじめてみませんか!

 世界中のあちこちから、大規模水害などの異常気象のニュースが届くようになりました。その原因の一つとして、話題になっているのが地球温暖化です。いよいよ地球温暖化が、その悪魔的な本性を見せ始めたのです。

 地球温暖化を防ぐためには、私たちの省エネ努力などによる温室効果ガスの排出抑制と、森林などによるCO2の吸収・固定が必要不可欠です。しかし、日本の森林の4割にあたる人工林は、CO2の固定はおろか、崩壊の危機に瀕しているとさえ言われます。

 元来、日本には三つの貯水池があると言われてきました。ダムや灌漑施設のほか、水田と森林がその貯水池にあたります。しかし、森林に起きた変化によって、このバランスが大きく崩れ始めました。そのため、ちょっとした大雨でも土砂崩れや河川の氾濫などがおこりやすくなっています。そこに追い打ちをかけるのが、地球温暖化による異常気象。まさに人災が人災を呼ぶという最悪のシナリオが現実のものとなってきました。

 この地球温暖化を考えると、間伐などのケアを施した人工林と、そうでない人工林では最大で30%、平均で16%のCO2吸収量に差があると言われます。そして、下草刈りや間伐などの森林整備に資金が回れば、森林が本来持っている保水力や土を保つ力が復活し、土砂崩れや洪水などの被害を未然に防いでくれるはずです。

 それなのになぜ、日本の森に手が入らないのでしょう。

 その大きな理由は、国産材が使われなくなったことです。戦後復興期、高度経済成長期にかけての木材需要の高まりが、昭和30年代から40年代にかけて人工林の大規模な造成につながりました。ところが、目前の木材需要の増大に対応するため、木材輸入の自由化も行われることになりました。その結果、円高基調の経済のなかで国産材は外材との熾烈なコスト競争にさらされます。それに追い打ちをかけるように、住宅の洋風化、安定的な木材供給を求める大手メーカーの出現など、小規模な生産者によって構成される国産材業界に不利なトレンドが続きます、その結果、日本中のあちこちに、手の入らなくなった森林が生まれることになったのです。

 日本の森林に対して逆風が吹き荒れる一方、新しい風も吹いてきました。それが地球温暖化防止のための世界的な枠組み「京都議定書」の発効です。そこで日本は、温室効果ガスの6%の削減(1990年度比)を約束しました。このうち、2/3にあたる3.9%が国内の森林が吸収するものとして規定されました。この国際公約を実現するためには、多くの消費者や企業が、国産材を利用した製品を実際に購入し、森林整備に必要なお金が山へ環流されていくことが必要です。そこで、林野庁を中心に「3.9(サンキュー)GREENSTYLE」という取り組みが始まりました。森林吸収の3.9%を達成するために行われる官民をあげてのキャンペーンです。

 国産材の家を建てることで森林の整備にお金を回していくことはもちろん素晴らしいことです。しかし、一生に一度の買い物でなくても、地球温暖化防止に寄与し、日本の森を守るアクションは身近にも発見することができます。たとえば、間伐材や端材等の国産材を30%以上使用した紙製の飲料缶「カートカン」に入った飲み物を選ぶことや、間伐材パルプを混入した名刺、はがき、印刷用紙などを購入することも、国内の森を守ることにつながります。僕らエコロジーオンラインも国産材を使ったカレンダーをつくったり、エコビレッジあき津亭では工房にたくさんの国産材を使っています。みなさんも一緒に「木づかいの生活」を始めてみませんか!


上岡 裕 (カミオカ ユタカ)

1983年4月、国際基督教大学卒業後、(株)ソニーミュージック・エンターテインメント(SME)入社。在職中は大江千里、エレファントカシマシなどの宣伝を担当。91年4月、SME退社後、フリーライターに。1991〜1992年にかけ、アメリカ西海岸バークレー市に滞在。インターネットに出会う。1999年5月、インターネットメールマガジン「普通の人のエコロジー」創刊。2000年3月、エコロジーオンラインを創立。


 


 


3.9GREENSTYLE GUIDE (PDF)>>>

 



 

間伐材や端材等の国産材を30%以上使用した
紙製の飲料缶「カートカン」


朝日小学生新聞に連載中の「里山どんぐり」カレンダーを製作しました。購入のお問い合わせはエコロジーオンラインまで。>>>>



 

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