| Ecology on Wheels 〜クルマにまつわる環境学〜
vol.10
How to エコドライブ〜その2〜
前回はデトロイト・モーターショーに譲ったが、時計を戻して前々回のエコドライブについて思い出して欲しい。エコロジストとはいえ、どこかで毎日お世話になっている自動車だからこそ、自分が乗るときにはエコドライブを心がけて使いたいよね。
仕事でも、自動車とエコについて記事を書いている私。ジマンじゃないが、最近、仕事が増えている。でも素直に喜ぶ気になれない理由がある。京都議定書の発効にあたって、「日本の二酸化炭素の総排出量のうち2割を占める自動車を初めとする運輸部門」、つまり私の大好きな自動車が“悪者”として俄然注目されているからだ。
ちょっと待って!本当に悪いのは排ガスを出す自動車じゃないよね? 使う側である私たちの責任の方が断然大きいはずだ。自動車の汚名を晴らすべく、前々回から自動車を使う側の問題、つまりエコドライブのリポートを始めることにした。
エコドライブ診断装置の開発をテストを行なっている独立行政法人 環境再生保全機構の鈴木 誠さんにエコドライブについて教えていただいた。
「運転しだいで、燃費を30%も抑えることができます。二酸化炭素の排出量で考えると、自動車を3割減らすのと同じ効果があるということです。特に、アイドリンストップや空ぶかしを止めることで、排ガス中に含まれるPMやNOxなどの有害物質も減らせます」
では、どういう運転をしたら、二酸化炭素や有害物質の排出を抑えられるのだろう?
「エコドライブの10箇条があります。これを守れば必ず燃費が良くなりますよ」
(1)「無駄なアイドリンクはストップ」
エンジンをかけっぱなしを止める。当たり前のことだけど、暖房や冷房を切りたくないからと、駐車中にアイドリングしているクルマが多い。二酸化炭素と有害ガスが放出されるのはもちろん、1時間エンジンをかけっぱなしにすると、1.3リットルの排気量の乗用車では130cc、大型ディーゼルトラックなら最大で1.8リットルもの燃料を無駄遣いする。
(2)「一般道は40km/h、高速道路は80km/」
走り屋にはイライラする速度かもしれないが、燃費のことを考えると、一番いい速度だ。ディーゼルトラックでは、100km/hで走るときと比べると、80km/hでは30%も燃費が向上することもあるという。
(3)「点検整備、タイアの空気圧チェック」
人間と同じで、自動車では機関の調子の良し悪しが排出ガスの良し悪しにつながる。毎日は無理でも、定期的にチェックすることで排ガスが規定値を超えてないか監視できる。また意外に燃費に効いてくるのがタイアの空気圧。乗用車では、適正圧より0.5気圧少ない状態で50km走ると150ccの燃料が無駄になる。
(4)「いらない荷物は降ろす」
トランクを物置代わりにして、アウトドア用品やゴルフバッグを積みっぱなしにしている人が多いのでは? 10kgの荷物を載せて50km走ると、15ccの燃料を余計に使うというデータも。運転手がダイエットしてもOK(?)
(5)「空ぶかしを止める」
アイドリングストップと同じで、無駄なのはわかっているはず。10回の空ぶかしで、乗用車では60cc、大型ディーゼル車では100〜170ccもの燃料が無駄になり、当然、二酸化炭素も排出される。
(6)「急発進、急加速、急ブレーキ防止」
「急」な操作をしないのは、スムーズな運転につながる。レース界でも、巧いドライバーは燃費がいいというのは常識。急ハンドルを切って、アクセルをぐんと踏んでこじるように進む人はタイムも遅いし、燃費も悪い。特にディーゼル車で急発進すると、15%もの燃料が無駄になる。
(7)「マニュアル車では引っ張らない」
オートマチックトランスミッションの制御は燃費を重視した設定になっているので心配ないが、マニュアル車は運転手の心がけしだいで燃費の優等生にも劣等性にもなる。タコメーターを1500rpm〜2500rpm(グリーンゾーン)に保つと燃費がいいはず。シフトアップが早すぎてノッキングを起こしても燃費は悪くなるので注意して。
(8)「違法駐車をしない」
間接的だけど、渋滞を引き起こす駐車違反をしないことも大切。普段なら5分で行けるところを10分かかれば、当然、5分間余計に二酸化炭素と有害物質が排出されるし、燃費も40〜50%ダウンする。
(9)「エアコンは控えめに」
夏場、エアコンを入れると「ブルゥーン」とエンジンが唸っていることがある。これはエアコンをかけると、エンジン回転数をあがる音。当然、燃費にも響くので、天気に合わせてマメに調整して。
(10)「道に迷わない」
初めてのところでも、事前に地図で調べれば意外に迷わないもの。当たり前だけど、迷えば走行距離が伸びて、排出ガスも増える。
環境再生保全機構では、昨年度から業務にトラックや乗用車を使う全国285事業所が参加する「エコドライブ・コンテスト」をはじめたり、一般の人にエコドライブ診断装置のモニターになってもらうなどの試みを行なっている。元々、同団体の目的は大気汚染による健康被害の対策だが、PMやNOxといった有害ガスを減らすことは、二酸化炭素などの地球温暖化ガスの排出量を削減することと切り離せないと考えて、大気汚染と地球温暖化対策の両面から、エコドライブの推進を進めているという。
次回は、教えていただいたノウハウをもとに、エコドライブを実践してみる。

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川端 由美 (カワバタ ユミ)
1971年生まれ。大学院でセルロースや炭素などの天然高分子を専攻(材料工学修士)。エンジニアとして就職するも、子供のころからのクルマ好きが高じて自動車雑誌の編集部に転職。エンジニア時代に電気自動車用の部品を設計した経験を買われ、次世代自動車の企画を担当する。3年前に長男を出産してからは、自動車の安全対策、環境やエネルギー問題といった次世代に与える影響を総合的に見られるようになったと感じている。母親、技術者、そして自動車ジャーナリストというハイブリッドな目線を活かしたリポートを展開する。 |
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