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そしてもうひとつの大きな話題は、ハイブリッド技術で欧米の自動車メーカーが手を組んだことだ。「Q7ハイブリッド」を発表したアウディは、フォルクスワーゲンとポルシェとともにハイブリッド技術を開発する計画だ。一方、今年1月に結成されたダイムラークライスラーとGMによるハイブリッド共同研究陣営に、BMWが参加するというセンセーショナルな宣言もあった。
ところが、フライブルクのコラムでお馴染みの村上敦さんにうかがうと、華やかに発表されたハイブリッド関連の話題が世界中のメディアを賑わせた一方で、現地のマスコミは驚くほど悲観的だったという。技術面で特に、トヨタやホンダといったすでにハイブリッド車を量産している日本車メーカーに溝を空けられていることを嘆く報道が多かったのだ。元々、ドイツの交通事情ではハイブリッドのメリットが発揮され難いし、発表されたハイブリッド車の多くは北米市場を意識したものだったことも、そうした見方に拍車をかけたらしい。
どちらかというと、ドイツで普及しているディーゼル車をよりクリーンにしたり、エンジンを高効率化する技術に現地の注目が集まっていた。例えば、フォルクスワーゲンの「CCS」と呼ばれる複合燃焼方式。これは、ディーゼル車の低燃費とガソリン車のクリーンさのいいとこ取りをする新しい燃焼方式だ。この種のエンジンに適した合成“バイオ”燃料の研究も進めていた。VWやダイムラークライスラーが実際のクルマに使ってテストをしている「サンディーゼル」と呼ばれる合成軽油は、牧草や廃材などの植物系の原料から作られ、植物が成長するときに二酸化炭素を吸収する夢のような“環境燃料”だ。
一見すると、ハイブリッドに沸いたように見えるフランクフルトショーだったが、「究極の目標はあくまで燃料電池。渋滞の少ないヨーロッパでは、ハイブリッドはディーゼルを追い落とすほどの魅力に欠ける」というドイツ・メーカーの基本姿勢は変わっていなかった。
ただディーゼル車の比率が半部以上と高まっているドイツでは、これ以上偏ることの問題にも気づいている。だから、ベルリンのような巨大都市では、“Ihre
Trinken ERDOGAS(私たちは天然ガスを飲みます)”と書かれたタクシーが街を闊歩したり、ディーゼル車を街から締め出す検討もしている。
今後、ハイブリッド技術の進み方と合成燃料の開発しだいでは、ディーゼル一辺倒だったドイツの自動車事情が変わるかもしれない。
(文=川端由美)
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川端 由美 (カワバタ ユミ)
1971年生まれ。大学院でセルロースや炭素などの天然高分子を専攻(材料工学修士)。エンジニアとして就職するも、子供のころからのクルマ好きが高じて自動車雑誌の編集部に転職。エンジニア時代に電気自動車用の部品を設計した経験を買われ、次世代自動車の企画を担当する。3年前に長男を出産してからは、自動車の安全対策、環境やエネルギー問題といった次世代に与える影響を総合的に見られるようになったと感じている。母親、技術者、そして自動車ジャーナリストというハイブリッドな目線を活かしたリポートを展開する。
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