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緑の街と緑の人びと
第三回 
今回のフライブルクの緑の話題は「緑の施設」についてです。ドイツ語ではときに公園や緑地帯を「緑の施設(Grüanlage)」とも呼んでいます。その名の通りに緑が生い茂り、花が植えられ、散歩道が整備され、子供の遊び場のある公園が、フライブルク市内には大小あわせて145箇所もあります。この街の総人口は約20万人ですから1,400人に一つの公園が整備されている計算です。皆さんのお住まいの日本の自治体ではどうでしょうか? 子供100人当たりに3,000m2の運動場や公園、遊び場が整備されているフライブルクは、都市でありながら子供達にとってはオアシスでもあるようです。フライブルク市がドイツの「子供にやさしい自治体コンクール」で大賞に選ばれた理由が分かります。
また「緑の施設」は公園だけではありません。市の中心を流れるドライザム川の両岸には遊歩道と自転車道が整備されています(歩行者と自転車道がほぼ区分けされているため、どちらの利用者も快適に通行できます)。そして川の両岸には木が生い茂り、河原の斜面を利用した休息地も。ここはフライブルクで最も愛されている散歩と昼寝の場所です。夏になると学生は足を水に浸し暑さをしのぎながら本を読み、子供達は水辺で遊び、恋人達は芝生の上で・・・。上流の遊水地帯が広く取られているところでは、ジョギング、サイクリング、ローラーブレードをする人も多く、体操や太極拳、はたまたヨガに興じている人の姿まで見受けられます。バーベキューセットを持ち込んで本場ドイツのグリル・ソーセージに舌鼓を打つ陽気な人びとも川原では見受けられます。日本人である私は、この楽園のような風景と開放的な雰囲気に感心し、またここが市の中心部であることにいつも驚かされています。

さらなる緑の施設は街路樹です。市が管理している街路樹だけで25,000本。さらに公園や前回説明したような個人の庭木をあわせると数え切れないほどの緑が、そして大木が街を満たしています。
そんなに緑があると落ち葉拾いは大変だと考える人はいませんか? 大丈夫、フライブルク市役所には「緑の施設」を管理する事務職16名と、200名からなる専門の職員が日々、緑の施設の管理に精を出しているのです。ドイツの自然保護は人の手を入れる自然保護です。「手入れ・手当て(Pflege)」という言葉を好むドイツ人。箱物を作るためだけに税金を投入するのではなく、出来上がっている既存の施設に「手入れ」を惜しまない姿勢は、これからの日本の行政も是非見習うべきところでしょう。
緑の街と緑の人びと。キーポイントは「手入れ・手当て」にあるようです。

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村上 敦
(ムラカミ アツシ)
1971年生まれ。岐阜高専土木工学課を卒業後、ゼネコンに入社。東京湾埋立工事 などにおいての環境破壊の惨状に疑問を感じ、ドイツ・フライブルクへ留学。フライブルク大学独文科に在籍しつつ、ドイツの環境政治・行政を学ぶ。途中ドイツ人女性と結婚し、休学。その後、フライブルク地方市役所・建設局に勤務し、
現在は日本の環境機器メーカーのアドバイザー、兼主夫。HP(www.geocities.jp/freiburg2004report/)でフライブルクの行政についての分析を行う。」 |
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