| 白井貴子の『地球と仲良くね!』-04
これが本当の汐の味!? - 1 -
今年も日本列島、桜前線も通り過ぎ、次は5月の新緑、ゴールデンウィークが待ち遠しい季節となしました。音楽業界もその昔は連休や夏休みともなれば山のようにイベントがあって、私もデビューしてから20年くらいはお休みなんてことはまずなかったんですが、21世紀に入ってからはどの企業もかなり縮小ぎみなのか?幸か不幸か私の生活も土日休みということもそう珍しいことではなくなりました。
でも、そんな時だからこそ私も一般の人の仲間入り!人ごみもなんのその、4年前に購入した海にも近い伊豆の森へと出かけた、昨年のゴールデンウィークのお話です。
若い頃は「なんで皆わざわざ休みの日にまた混んでる所へ出かけるんだろう?」と不思議に思っていた人の流れですが、でも、毎日決まった時間に会社へと出かけなければならないお仕事の人にとっては、きっとスケジュールに縛られない時間を過ごせることこそが天国!だから連休や年末、あれだけの何十万人という人が世界中の行楽地へと出かけるんでしょうね。
そんなこんなを思いつつ、出かけた連休の伊豆、いつもなら鎌倉から車で2〜3時間もあれば伊豆の森まで行けるのですが、なーんとこの日は「日本のゴールデンウィーク恐るべし!」その倍以上、7時間も到着までにかかってしまいました!
「飛行機ならもうハワイへ行ってるよね。」なんて車の中での冗談も、渋滞が大嫌いな私の旦那様、ギターリストの本田君には全く通用しない!あやうくUターンされそうなハラハラの瞬間も何度もあったけど、今回は「連休中に出かけた自分が悪い!」と諦めてくれたのか、ぐっと我慢でどうにかお昼過ぎ無事、到着しました。
でもやっぱり頑張って来た甲斐ありました! 着いた先の海辺は青い海が広々輝き、家族連れや、カップル、友達大集合で来ている人達がいっぱい!決して都会では見られないOFFならではの楽しそうな笑顔や笑い声で海岸は溢れていました。
なにより春は夏のように蒸し暑くないのが素晴らしい!キャンプにしても蚊が少ないのもめちゃくちゃ楽です。冬から春へ、一年の中で最もダイナミックな変貌を見せるこの季節。そのキラキラした光にやたらと心も弾み、「冬は自分の心もやっぱり冬眠していたのかな?なんて思えるほどの春風の心地良さに心の四季、野生の心がムクムクと元気に発芽しているのがわかって、どんなに地球温暖化が叫ばれ、紫外線も強力だと知ってはいても、日焼けも気にせず海へと走り出すわけです。
少しまだひんやりとしているけど、でも生れたての温もりある新鮮な風。生命力溢れる新緑も目に鮮やか!まさに母なる地球の上での深呼吸は格別です!春のゴールデンウィークって「生きる息吹を与えてくれる季節」だったんですねー!
日本の多くの皆さんがどんなにコミコミだろうと春の連休をなぜこんなにも楽しみにするのかが、私もこの歳になってやーっとわかったような気がしました。だって理屈抜きで何もかもが気持ちいいんだもん!
歌という仕事は、こんな行楽の数時間を「こんにちは!」って盛り上げる仕事のはずなのに、今頃こんなことを思うなんて、私も世間知らずだったというか、今までいかに余裕がなかったというか、少々お恥ずかしい気もしました。
そんな感慨にふける間もなく、早速、私は磯へと出かけました。そう!この時期ならではの「潮干狩り」をするためです。
ちなみに本田君は釣りに挑戦! さーてどっちが夕食のご馳走をゲットしてくるか競争です。岩場にはもうすでに沢山の人達が熱心にあさりを探していました。私は以前も一度やったことがあり、かなり夢中になった記憶があったので、今回は少々我を忘れてもはずかしくないようにサングラスに帽子を深々とかぶって更に熱中モードに決めて開始です!
岩をどけては素手で砂を掘り起こす、シャベルなんて使いません。第一用意してないんだもん。爪に砂が入ることなんて気にせず探します。
「あーった!」早速一粒ゲットしました! 小ぶりだけど、スーパーに並んでいるあさりよりも、模様に深みがある、グレーがとっても美しいアサリです。
探している間も小魚の群れを眺め、蟹やヤドカリと遊んで、本当に子供の頃の懐かしい自分に戻ってしまいます。
そんな時です。かん高い声でやたらとしゃべりまくる男の子が遠くの方からやって来ました。
「母さん!母さん!」「ここで長靴脱いでいい?」
「母さん!これ食べれる?」「母さん!」「母さん!そっちへ行くよ!」
・・・・
連発あるのみのハイテンション&ハイトーン! 彼を見るともう海の生き物に興奮を隠しきれず、ひっきりなしにその感動をお母さんに伝えたいようです。
私は心の中「お母さんが好きで好きで本当に信頼してるんだなー、いいなー。
私にもあんなに自分に言い寄ってきてくれる息子がいたら、どんな気持ちになるだろう!」そう想像しただけでなんだか目頭が熱くなってきて、親子で潮干狩りなんて素敵!と温かい気持ちになったその時です!
「あーんた!なんで同じところへ来るんだよ!あっち行けよー!うざってーな!」
「でもそれ以上行ったら駄目だよ!何度同じこと言わすんだよー!ざけんなよー!」・・・・と男の子のお母さん!
私はなんだかそのお母さんの言葉を聞いた瞬間、気持ちがキューンと小さくなって、悲しい気持ちになりました。
でも男の子はいつもその感じのお母さんにもう慣れっこなのかな? 一向に言葉に怯える感もなく、なんと小声で「すみません!」と一言呟いて、しばし静かになりました。
でもまた1分とたたない間に「母さん!母さん!」と連呼続行!またそのたびに
「うざってーなー」「ざけんなよー」という母さんの声も再開したのはいうまでもありません。
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