| 白井貴子の『地球と仲良くね!』-04
これが本当の汐の味!? - 2 -
この言い回しはどっかで聞いたことがあると思ったら、そう言えばスマップのキムタクさんだったりして? お母さんはその影響なんじゃないかなーと思ってしまったんですが、違うかなー? こんなこと言ったら、全てのスマップファンのお母さんを敵に回してしまいそうですが、でもキムタクさんが言うのは役柄だし、なにより男性だからまだ許せるけど、それがそのまま家庭に入り込んでしまっているような気がしちゃったんです。
実は私、この日だけでなく、この所ずーっと気になっていたんですが、よく街でもこの「子供に投げ捨てるように言い放ちまくるお母さん」の声を耳にすることがやたらと多い。お母さんにとっては育児はお休みナシの連日のことで飽き飽き、もういいかげんイヤになるいほどきっと大変な毎日なのだとは思いますが、「でもいくらなんでもその言葉汚すぎない?」と横で聞いてるほうがびっくりすることが多いんです。
その言葉を100%全身、全霊で受け止めながら成長する子供の身になったら「凄い迷惑!」なんて思っちゃう!「母さん!」「母さん!」と呼び続ける子供と、「うざってーな」と吐き捨てるお母さん。このあまりに隔たりのある言葉に私はもの凄いくカルチャーショックを覚えました。
そんな生々しい21世紀の家庭のやり取りを聞き、不安を感じつつも、
「今日はこれでワイン蒸し!ワインもきっと最高だよね!」と気分を取り直してアサリ取りの再開です。
「まー色々とあるよね。僕、頑張って!ゴッドマザーに負けないで!」なんて独り言いいつつアサリ採りを再開したその時です。私の前にまたもや別の男の子出没! 今度はさっきの甲高い声の子とはまるで違う、もの静かな僕です。でもその足取りは一歩ずつ、一歩ずつ、黙々と確実に岩から岩を渡り、私の横を通リ過ぎ、沖の波のほうへと進んでゆきます。私は心配になって「あんまり先へ行くと危ないよ!」って思わず声をかけてしまったんですが、僕は聞こえないのか、はたまた潮干狩りにいそしんで、かがんでいた私の存在が目に入らないのか、何も返事がありません!また周りを見渡しても、彼を見守る家族らしき人もいないんです。
「平気かなー。どーうして、親は見てないのかな?あんなに小さい子、一人で危ないじゃない!でもいざとなったら、私が助けにゆけばいいか、誰かが来るまで私が見てよう。」
とその子の後ろ姿を目で追っていたその時です。彼はそれまではしゃがんで、ゆっくり用心深く岩から岩を進んでいましたが、私の約2メートルくらい前、大きな岩にたどり着いた瞬間、スクッと岩の上、天に仁王立ち! いきなりバサッとズボンを下ろし、海に向かってシャーーーーーーーーッとおしっこをはじめたんです! ぼっこり2山、つるッつるに元気なオシリが私の目前に出現! 思わず私はさっきまでの心配した気持ちが吹き飛んで「なーんてことするのよ! せっかく今晩の夕飯にしようと楽しんでアサリ採ってる所でわざわざおしっこすることないジャン!」って思ったけど、その海原のスクリーンに浮かぶ天真爛漫な彼のおしりヌードがあまりにもかわいくって思わず「写真、撮りたい!」と思ってしまったのですが、そんな時に限って、ふと後ろを見たら「やっとか来たかお母さん!」
やはりさすがに私、勇気なくて写真、撮れませんでした。残念!でもまたまた驚いたのは、私がその子の近くにいて、潮干狩りをしているのに、お母さんは何も言わずにずっとその子をだけを見ているんです! きっともしも私がその子のお母さんなら自分の息子の行動がてれ臭くって
「やーねーすみません!うちの子ったら、人様の目の前でおしり出しておしっこなんてしちゃって! まー!やだわーこの子ったら!そのアサリきっと普段より塩味増量!塩分取り過ぎに注意してくださいね!」なんてニコニコ愛想振りまいて言ってしまいそうですが、側にいる私には全く何の言葉もありません。子も子なら、親も親。恐るべしマイウェー家族!
「いやー世の中には、色々なタイプの人や家族がいるんだなー」って妙に関心しちゃいました。
2時間ほどかけてやーっと探したあさりは15粒、色々道中ありましたが、解せない出来事はしっかり水?いやいや海に流してしっかりワイン蒸しにしました。
身がプリプリしていて、初めて自分で採って食べた天然アサリに何はともあれ感動です。
食べてる最中も、やはりあの子のピカピカなオシリと元気なおしっこが目にちらつかなかったと言えば嘘になりますが、そんなこともう気にしてられません!
どうしてって、あの子のおしっこを気にする以前に、実はアサリを探している最中にワンサカと採っていたものがあったからです。
それは、大量のゴミです!空き缶、空きビン、靴底や電池などなど。ぱっと見は美しい海でも、掘れば出てくる出てくるゴミの山!
「きっとこのアサリは化学のいいダシ汁が出てるよねー。釘も落ちてるから、砂抜きも必要ないわ!」なんて思ったほどです。
最初は人ごみを敬遠していたゴールデンウィークでしたが、沢山の人の中へ行ったお陰で、予想もしていなかった思わぬいい経験、今時の社会見学をさせてもらいました。
言葉は交わさなくとも、つくずく私達は「みんな一つの星に暮らし、運命を供にしている」のだと感じました。
口から入り、出てはまた自分に戻る。栄養と毒に抱かれ、私達はこの星に生きているんです。「地球と仲良くネ!」果たして何が仲良くなのか? 私の心の旅は続いています。
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