| タスマニアとエコロジー Vol.
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晴れのち曇りのち雨のち晴れ

今回のテーマはタスマニアの変わりやすいお天気。シャワーと呼ばれる激しい雨、強い日ざしへの対処方から、極地に近いタスマニアに深刻な影響をおよぼしている南極上空のオゾンホールの問題についても少し触れてみましょう。
タスマニアの気候の特徴は何といっても変わりやすいこと。1年間の四季が1日で体感できるといういわれがある。南東部に位置するホバートへ住んでみると、“空は年中忙しい”という印象だ。天気予報はあくまでも大まかな情報として頭にいれておくが「今日は晴れ」という天気予報を100%信じると突然の雨(シャワー)でずぶ濡れになる。シャワーに氷の粒が混じることさえもある。だから家を出る時に真っ青な晴天でも、傘を持たずに外出したことはない。日本の空に例えるなら、真夏のような日ざしの晴天が急に台風状態になり、その後、台風一過の晴れ間が現れる。そして1日に数回この変化が起こる、と表現すればタスマニアの忙しく変わる空が想像できるかもしれない。
ここタスマニアでは、傘をささずに歩く人を見かける。急な雨で傘をもっていなかったからだろうか? といぶかしんでみたくなるが、とにかく現地の人に習って筆者もまねをしてみた。大雨以外は雨ガッパを着てその帽子を被って歩く。タスマニアは風が強い。南極からやってくる雲と風で傘をさしても雨に濡れてしまう。しかし、“タスマニア流雨歩き”をマネしてみると、これがなかなか都合がいい。雨が頻繁に降ったり止んだりする度に傘を広げ畳む面倒もない。傘を持たずに歩きながら雨を降らす雲の移動を見るのも面白い。雨に洗われた空に日が射すと色鮮やかな虹が見られる。タスマニアは虹の多い島でもある。2つの虹が同時に違う場所で現れたり二重、三重になったものも見られる。
気温は夏でも長袖でも過ごせる日が多い。首都ホバートで毎年30℃を越える日はおよそ6日、夏の間の最高平均気温は20℃を越えるが、冬は12℃を下回る*1。
湿度が低く、1年中過ごしやすい。陽射しは一年を通して強く、日本と比べ物にならない程痛い! と感じる。人々の日焼けに対する注意は敏感で、保育所の子供たちは首までカバーできる帽子を被って外で遊んでいるし、スーパーや薬局では巨大なポンプタイプの日焼け止めクリームを売っている。
もちろんオゾンホールの問題は極地に近いタスマニアでは重要であり、州政府も迅速に対応している。オゾン層破壊防止モントリオールプロトコル
(1987年)により国際的にフロン系化学物質の削減・幻滅が進められている。そして、タスマニアでも北西部Grim岬にある国の研究観測所で大気中に存在するフロン系化学物質を観測している。タスマニア政府はオーストラリアの中でも早くからオゾンホールの原因となるオゾン破壊物質の販売、使用、取り扱い、散布を規制し購入や販売する際に州政府への報告を必要とする条例を1994年に制定している
(EnvironmentalManagement and Pollution Control Act)。2005年10月にはオーストラリア連邦政府はオゾン保護法を改正し、フロン系物質取り扱い報告が今までの州政府から連邦政府へ変更となった*2。また、フロン系温室効果ガス冷却剤は国が許可する貿易業社のみ販売できることになった*3。
大気中のフロン系化学物質は最近減少が観測され、南極上空に存在するオゾンホールも2000年のピーク時にはアフリカ大陸程の大きさまで拡大したが、現在は減少しているという*4。これら地球規模の問題を身近な問題として捉えざるを得ない場所、タスマニア。ここの空の色は青が濃く、「この美しい地球環境を残したい」という気持ち強く与えてくれる。
注:
*1 Australian Bureau of Statistics, 2005: Statistics Tasmania,
<
http://www.abs.gov.au/Ausstats/abs@.nsf/94713ad445ff142
5ca25682000192af2/0863e8eafa9e161bca256c3200241516!OpenDocument
>, (accessed 2 Nov, 2005).
*2 Department of Primary Industries, Water & Environment,2005:
Changes to Ozone Protection Regulation,
<
http://www.dpiwe.tas.gov.au/inter.nsf/WebPages/EGIL-53K7ZD?open>,
(accessed 31 Oct, 2005).
*3 The Australian Government Department of the Environmentand Heritage,
2005: National Refrigeration and AirConditioning Licensing System
Implications for Maritime Industries.
*4 Holper, P., 2000: Ozone Depletion, 2000 and beyond in CSIRO
Atmospheric Research,
<
http://64.233.167.104/search?q=cache:YikoUFEM99AJ:
www.dar.csiro.au/publications/holper_2001a.html+ozone+hole+
and+Tasmania&hl=ja&ie=UTF-8&inlang=ja>,
(accessed 2 Nov, 2005).
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