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タスマニアとエコロジー Vol. 3
鳥にも国民性がある!?

初めてタスマニア空港に到着した時にびっくりしたのは、「ゲゲ、ゲゲゲー」と聞こえる大きな鳥の声だった。時刻はちょうど日が沈んだ頃。いったい何事か?誰か鳥を捕まようとしているのだろうか、それとも銃でねらい撃ちしたのだろうか?

タスマニアで生活するうちに、タスマニアには夜でも活動する鳥たちがいるらしいと知った。暗闇の頃大きな鳴き声が聞こえるのもおかしくない。何しろタスマニアは鳥の種類が豊富で面白い。日本のペットショップで売っているような奇麗なインコの類が身近で見られたり(写真1)、日本の80円切手のデザインになっているやませみ(Laughing Kookaburra)の笑っているような鳴き声が聞ける。もちろん、日本でお馴染みのすずめ、はと、からすなども見られる。

一番のお気に入りはblackbirdという名の鳥だ(写真2)。雌は茶色をしているが、雄は鮮やかな黄色のくちばしと目の周りのふちどりを持ち、体はその名の通り真っ黒をしている。色は違うが、まるで殴り合いの喧嘩をして目のまわりに青あざをつくった印象の顔だ。黒い鳥と言えば、大きくてずる賢いカラスを連想するが、blackbirdの雄は人間の手ほどの大きさをして茶目っ気たっぷりの性質がある。流れるような動きはせず、早い動きと静止とのコンビネーションで動く。常に横目で人を意識観察しつつ、急いで土を掘り、餌を探して食べ、静止し、ぴょんぴょんぴょんと跳ねて場所移動、そしてまた静止する。

タスマニア州東部にある離島、マライア アイランドを訪れると、Tasmanian Native Henが到着した人を出迎えてくれる(写真3)。この鳥はタスマニア固有のものだが、人間によってこの島へ連れて来られた*1。人間の都合で移住させられた訳だが、それが幸運だったのかもしれない。農家からは作物やを荒らすために嫌な存在と思われている。確かに、島の船着き場近くはNativeHenの密集地帯。彼等の落とし物もたくさんあり、草地は荒れている。マライア アイランドのような自然保護地区などで保護されている他、十分な保護は行われてない*2。島の鳥と人間との関係は親密すぎず、丁度よい距離を保っているようだ。そこにいるお互いの存在を受け入れ必要以上に関わらない。

ホバートでは、家の庭先や道端の木にたくさんの鳥の巣が見られる(写真4)。渡り鳥の巣だろうか? 渡り鳥は日本とオーストラリアの間も行き来する。両国は、渡り鳥の保護と絶滅のおそれのある鳥の保護を目的とした日豪渡り鳥協定(1974年)を結んでいる*2。渡り鳥はオーストラリア、ニュージーランド、ミクロネシアなど南方地域で越冬するため、北方地域で繁殖し一時的に日本に渡って来る。これらの鳥は専門的に旅鳥と呼ばれ、シギやチドリ類などがあてはまる。一方、国内に常時生息している鳥は留鳥と呼ばれる。すすめ、からす、うぐいすなどがこの類である*3

筆者は鳥について詳しくないが、国によって人間に国民性があるように、留鳥も住む国や場所によって行動様式が違うような気がする。タジーが自然に対する免疫力が強いと以前言ったが鳥にも同じことが言えると思う。日本では雨が降ると鳥たちは雨宿りをし、空を飛ぶ姿をめったに見ることはなかったが、タスマニアでは強い雨の中にかかわらず飛び回り追いかけっこをしている鳥たちを見る。Tree Sparrowという種類のすずめは、町中でよく見かけられ日本と同様に人間が近寄ると逃げる。しかし、人間がもっと側まですずめに近付けるように思う。タスマニアのすずめは人懐っこくて人間を信じやすいのだろうか、それとも国民性!? なのだろうか。

 

注:
*1 国立公園協会 1998 自然公園の手びき; 環境庁 1997 平成9年版 環境白書、各論 大蔵省印刷局
*2 Department of Foreign Affairs, 1981: Australian Treaty Series No 6, Agreement between the Government of Australia and the Government of Japan for the Protection of Migratory Birds in Danger of Extinction and their Environment,
<http://72.14.203.104/search?q=cache:hxx_cEeHsxoJ:www.austlii.edu.au/au/
other/dfat/treaties/1981/6.html+Japan+and+Australia+migratory+birds&hl=ja&ie=UTF-8&inlang=ja
>,
(accessed 1 Feb. 2006).
*3 Parks and Wildlife Service Tasmania, 2003: Living with Wildlife, Tasmanian Native Hen Gallinula mortierri. State of Tasmania, Hobart.



タスマニアはオーストラリア大陸の南東、南緯40 ̄42度、147度東に位置する逆三角形をした島。ちょうど北緯41〜45度にあ る北海道が南半球に位置しているようだ。北から南までは296 km東海岸から西海岸まで315 kmある。タスマニアではキリスト教が主な宗教である。何らかの宗教活動をしている人456 652人中315513人はキリスト教信者である*1。街には古い教会も多く目に着く。


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藤川  あゆこ (フジカワ アユコ)
社会人をしながら趣味の山歩きに夢中になり、これが環境問題を考え始めるきっかけとなる。エコツーリズム、森林破壊問題、森林保護に興味を持ち、退社後NPO/NGO活動に参加する。環境問題について学ぶためタスマニアへ渡り、大学院で環境経営学を専攻する。各国で行われている持続可能な森林経営と森林認証制度について学ぶ。



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