| タスマニアとエコロジー Vol.
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タスマニアの交通事情

タスマニアには電車が走ってない。正確に言うと、西海岸の町Strahan― Queenstownの間34km*1を走る観光用の蒸気機関車を除いて人を乗せる電車は走っていないが、物資を輸送する列車は走っている。列車の荷物は、セメント、コンテナ、石炭, 木材チップ、その他鉱物などタスマニアの産物が主だ。現在、人々の交通手段は自家用車やバスなどが主流だ。町には古い車が走り、まるでオンボロ車のオンパレード!凹んだ車や部品が取れかかっている車を見かける事もある。
ある日、知り合いの車で家へ送ってもらった時、車のサイドミラーが片方なかった、という経験がある。時速100KMを出して走るその車の助手席へ座った私は、ミラーの代わりに後ろを振り向き、安全を確かめる任務を授かった。どうかパトカーにつかまりませんように。。。と願いながら無事帰宅した。
タスマニアの交通規則 VEHICLE AND TRAFFIC (VEHICLE STANDARDS) REGULATIONS 2001*2 によると、後部確認ミラーが少なくとも1つ付いていればよいと記してある。どうやらあの恐ろしい車は、車両及び交通規則に反していないようだ。こんな大らかな規則に加え、地元には大雑把で荒い運転の車が多い。びっくりさせられるのは、ドライバーが歩行者や自転車を優先させる意識の低いことだ。歩行者が横断しようとしているに、多くの車は歩く人の行く先を妨げ停止する。歩行者は車を迂回しなければならない。ここでは、車が自転車とすれ違う時に減速するのが当たり前ではない。自転車レースチームの一員が島内の一般道を練習中、横暴な運転の車により交通事故死をしている。
日本の田舎やリゾート地でもそうだが、今日電車が通らない場所では公共バスの本数も減少し、自家用車が生活の必需品となっている。これは同時に車を運転しない人、つまり道路を自転車で走る人や、歩いている人にとって使用しづらくしている。車を乗らない者が弱者となるのだ。私は自転車に乗っている。車が排気ガスと騒音とそして「邪魔だ!」と言わんばかりの圧力を与える運転で通りすぎる。特に古い車は、騒音と排気ガスがひどく、自転車で走る者にとってやっかいだ。快適な車の中にいるドライバーには、自分がどれだけの不快感を与えているのかわからないだろう。唯一、優しい運転をしてくれるのは、自転車を積んでいるサイクリング帰りのような車だ。
小さい頃に見た懐かしい日本車にもよくお目にかかる。20年前、いやそれ以前の車も現役で走る。こんなに古い日本車を異国の地で目にし、日本人として誇りに思う。しかし日本の大気汚染の歴史から、車が与える健康被害や公害影響を懸念してしまうが、オーストラリア政府は楽観的である。タスマニアでは大気汚染のモニタリングをしているが、車の排気ガスを特定しているものではない。排気ガス汚染でも特に問題となるディーゼル車によるタスマニアの都市部への影響は小さいと推定している*3。地元政府も具体的に人体への対策を行っていない。これに対して興味深いのは、動植物に対する車の公害対策を行っていることだ。絶滅の危機にある種の保護は法律によって定められている為、車道脇管理の一貫としてこれにあてはまる植物の保護を行っている。人間の健康よりも動植物への配慮に力を入れているのには頭が下がる思いだ。
注:
*1
Tourism Tasmania, 2006: West Coast Wilderness Railway,
<LINK→>, (accessed 25 May, 2006).
*2
Australasian Legal Information Institute,
Vehicle and Traffic (Vehicle Standards) Regulations 2001 - Reg 36,
<LINK→>, (accessed 7 May, 2006).
*3
Hon Bryan Green MHA, 2002: Report to the NEPC
on the implementation of the National Environment Protection
(Diesel Vehicle Emission) Measure for Tasmania,
in National Environment Protection Council Annual Report 2001-2002.
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