2007年6月19日
麻が拓く持続可能な未来 ヘンプ麻研究セミナー開催
「伝統みらい素材を見直すバイオマス資源ヘンプ麻研究セミナー」(日本大学院総合科学研究科小谷研究室主催)が16日、都内の日本大学会館で開催された。旺盛な成長力があり、資源として注目される産業用大麻(ヘンプ)を使った最新技術が工学、農学、建築学など各分野から提案される場となった。
北海道立北見農業試験場(網走管内訓子府町)からの発表では、麻が土壌中にある硝酸性窒素吸収力に優れていることを実験データから明らかにした。硝酸性窒素とは、化学肥料に含まれていることが多く、作物が吸収しきれないほど過剰投与されると土壌内に残留する。残留した硝酸性窒素は地下水汚染につながり、人体にも影響を及ぼすものである。この実験結果から同試験場は「同じような深根性作物の約三倍もの硝酸性窒素を除去した麻は、土壌改善に期待できる」とみている。
工学部門からはメルセデスベンツなど欧州の自動車メーカーが、内装材として麻を利用している例を紹介した。他に、過疎化問題を抱えた地域における麻文化復活についての取り組みなども発表された。
現在の日本では、麻の栽培許可取得が法で厳しく規制されている。一般的に大麻と総称されている麻であるが、産業用大麻には薬理成分が0.3%以下と、摂取しても麻薬効果はないとされている。各発表者とも、薬理成分の多い大麻と産業用大麻の違いを訴え、脱石油系資源としての麻有効活用案を提唱していた。
(取材:鞍作トリ)