生ゴミからプラスチックを生む?ってちょっと不思議な感じ。
それを可能にしたのが白井義人先生だ。1980年代後半からバイオプラスチックの研究をしていた白井先生。廃棄物の再利用に着目し始めたのは1992年頃で、マレーシアのパームオイルの廃液から始まり、焼酎の廃液、そして生ゴミからプラスチックを生む技術を開発した。「捨ててしまうものを再利用することでね、資源の再利用にもなるし、お金にもなるんですよ!廃棄物処理としてお金が出ますからね。」と語る白井先生は商人の息子。常に実社会でいかに採算性を持たせるかに余念がない。「実験室から出て社会の役に立つ技術を活用すること」と「社会で普及するために採算性を持たせること」を科学者という立場から積極的に取り組んでいる。
生ゴミからプラスチックを生成することに成功した後は、そのバイオプラスチックを再利用する研究を続けてきた。生ゴミから作られたプラスチックはポリ乳酸という物質が原料になっている。バイオプラスチックを回収、化学的に再分解して、また原料であるポリ乳酸を精製する、ということを実現した。これによって、バイオプラスチックは何度でも利用ことができる。さらに、このリサイクル方法ではリサイクルする度に純度が高まるようになっている。つまり、アップグレードしながらのリサイクルなのだ。これは従来のリサイクルで質がどんどん下がっていくのとは正反対のことで、画期的。これが社会で普及すれば、新しい資源を使う必要がない。資源はずっと循環し続けるのだ。白井先生は次のように語る。「(バイオ)プラスチックを循環するということは、資源を社会の中で保存する、ということです。ここで重要なのは(バイオ)プラスチックがきちんと回収されること。回収率が高ければ高いほど、資源は循環するのです。そのためには人々が積極的に回収に参加するしかけづくりが必要です。科学者だけじゃだめなのです。」
「環境に良いことをしよう、環境のために我慢しよう、というだけでは社会は変わりません。循環型社会を創るためには社会構造から変えていかないと。」と語る白井先生の今後の課題はバイオプラスチックのさらなる普及とリサイクルシステムの構築だ。その第一歩として、今年の夏、ある一連の音楽イベントで白井先生の手がけるバイオプラカップがお目見えする。これらのカップはライブ会場で回収され、ポリ乳酸として再資源化される。「まずはやってみること。」を大切にしている白井先生、これからのさらなる活躍が楽しみだ。
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