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eco people file no.28

必要とされる企業へ 日興コーディアルグループCSR室長の畑山豊志さんにお話を伺いました。

「企業活動のすべてがCSRです」。そう言うのは、日興コーディアルグループのCSR室長を務める畑山豊志さんだ。
「CSRは立場によって受け取り方が違います。『CSRとはコンプライアンスだ』と言う人もいますが、企業が法令を守るのは当然です。では何なのかと考えていくと、人権や環境への対応、社内外のコミュニケーション…結局のところ、会社のやっていることはすべてCSRということになります」。
そもそもCSRとは何なのだろう? Corporate Social Responsibility、企業が果たすべき社会的責任。つまり、社会に対して大きな影響力を持つ企業は、その行動にも責任を持った上で企業活動をしなければならない、という意味だ。
例えば、環境負荷の低い商品を開発する、地域の祭りに積極的に参加して住民との交流を図る、ペーパーレス化を進めて社内の環境パフォーマンスを上げるなど。CSRの意味するところは実に幅広い。
「だからこそ、自社のCSRを伝えることは、会社そのものを伝えることにもなります」。
そう言って畑山さんが差し出したのは、白い冊子。真ん中に描かれた赤いてんとう虫がパッと目に飛び込んでくる。右上に「にっこう」の文字。その下を見てはじめて、CSRレポートだと気づく。表紙をめくると、飛び出す絵本の仕掛けでてんとう虫が羽を広げた。

手にとってもらえるレポートを目指して

一見すると雑誌のようなこの冊子、CSRレポートとしては相当に型破りだ。世界標準のガイドラインも定められ、格付け評価の材料にもなっているCSRレポートは、それを意識するあまりどの企業も似たようなものになりがちだからだ。
「読んでもらうためにどうすればいいか考えました。こんなレポートがあることすら知らない人もたくさんいらっしゃいます。まずは手にとってもらう。そして、読んでもらえれば、日興コーディアルグループのファンになっていただけると思っています」。
レポートを作ること自体が目的になってしまったのでは本末転倒だ。2005年版からガラリと方針を変えた。紙の質、文字の量や大きさ、ボリューム、内容、すべてにこだわり徹底して読みやすさを追究した。お決まりの、巻頭を飾る「社長挨拶」もやめにした。
「例年は2万部発行して半分ほど余っていたのですが、2005年版は2回増刷して合計3万3千部を発行しました。それでも2006年2月末には在庫がなくなりました」と、口元をほころばせる。
社員の多くが自宅まで持ち帰ったという。
「グループには現在1万2千人ほどの就業者がいます。全国に支店があるのですが、旭川支店の人は那覇支店の取り組みを知らないですし、本社が何をやっているのか支店の人にはわからない。逆もそうです。ですから、会社がどういう方向に向かっているのかということを知ってもらうためにも、生まれ変わったCSRレポートは役に立ちました」。

一人ひとりが感じること。
それが次へのステップになる。

畑山さんは、CSRレポート以外にも、さまざまな手段を使って社員へのオープンな情報発信を行っている。イントラネットやメルマガの活用だ。反響も大きい。
「役員会の議事内容から支店の取り組みまで、CSRに関係あると判断したものは基本的にすべてイントラネット上の『CSR通信』に載せていきます。それも、ただ結果を公表するのではなく、意見や情報をもらいたいので事前案内や途中経過もこまめに伝えていくようにしています。最近では寄せられる情報が増えて更新が追いつかないくらいです」と、うれしい悲鳴をあげる。
自分たちの取り組みが紹介されれば、励みになる。見るほうも、「こうすればいいのか」とヒントをもらうことができ、「自分たちもやってみよう」というキッカケになる。そして、「次は紹介されたい」と意欲もわく。そんな好循環ができつつあると、畑山さんは実感している。
「社員一人ひとりが共感してその気にならなければ、CSRは単なるかけ声で終わってしまいます。強制することはできません。自ら感じて、自ら動くことがより大きな実践につながります。儲かりさえすればいいという企業は淘汰され始めています。これからのビジネスに求められるのは心です。私たち日興コーディアルグループは、投資することを通じてより良い社会をつくっていきたいと思っています」。
2007年版CSRレポートがどんなものになるのか、今から楽しみだ。

 

LINK

リンク:日興コーディアルグループ http://www.nikko.jp/GRP/



畑山豊志(はたけやま とよし)さん

1987年     日興證券 入社
2005年     日興コーディアルグループ CSR室長
時はバブル、「給料がいいから」と証券会社へ入社。至極即物的な人間だった。環境とか社会貢献について考えるようになったのは現在の職務についてから。最初の頃は「環境に優しく人間に厳しく」という人たちとの付き合いが多くて、仕事がイヤでイヤでたまらなかった。ところが、ある人との出会いで一変する。「明るく、楽しく、いっしょに泣き、いっしょに笑い」でやっているうちに、いつの間にか好循環に入る。毎日ツイてることが起こっている。















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