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eco people file no.31

早稲田商店会の生鮮スーパー「稲毛屋」店長、安井浩和さんにお話を伺ってきました。

買い物に行ったのに、マイバッグを忘れてしまった。レジ袋は有料だ。さて、どうする? 
そんなとき、「これを使ってください」と、他の誰かが使ったレジ袋が置いてあったらどうだろう。ありがたく使わせてもらうという人も多いのではないだろうか。そんな盲点をついた取り組みを実際にしているのが、早稲田商店会にあるスーパー、稲毛屋。旗振り役は、若店長の安井浩和さんだ。
「これまでも無駄なトレーや包装をやめたりといろいろ取り組んできましたが、去年の10月にレジ袋の有料化にも踏み切りました。でも、有料化したら雑貨費の売り上げがすごくあがってしまったんです。レジ袋の利用も減らないんです。これでは何をしているのかわからないですよね? 儲けたいために有料化したって言われても仕方ないくらいですよ。どうしたらいいか考えたあげく出てきたのが、レジ袋の使い回しでした」
 方法はいたって簡単だ。家でたまりにたまったレジ袋を店に持参して、ストック用の箱に入れるだけ。それを、必要としているお客さんの間で使い回すという仕組みだ。やってみたら、結果は大好評。近ごろはレジ袋のストックが足りないほどで、その都度、お客さまに呼びかけて協力してもらっているほどだそうだ。

チラシを最大のコミュニケーション・ツールに

一度使ったレジ袋をマイバッグにするというこの試み、アイデアとして思いついてから実行に移すまでには、ちょっとした心温まるエピソードがある。
「実は、生鮮食品を売るスーパーでレジ袋を使いまわすことをお客さんがどう思うか、心配でなかなか踏み切れなかったんです。だから、チラシで直接お客さんに問いかけてみました。商品情報と一緒に、僕が思っていることや店の近況報告なんかをブログ風にして毎回載せていたんですけど、そこで、“レジ袋の使い回しについてどう思う?”って。そうしたら、“やりなさいよ!”っていう声をたくさんいただいたんです。家にあまっているレジ袋をいっぱい抱えてもってきてくれた人もいたんですよ。有料化のときもそうでしたけど、こうやっていつもお客さんに背中を押してもらっている感じですね」
もともとお客さまとの触れあいを大切にしてきた安井さん。店内を少し歩くだけで、買い物客から「店長、こんにちは」「この前はありがとうね」と気さくに声がかかる。そんな人なつっこくて誠実な人柄がにじみ出ている例の“チラシ・ブログ”も好評で、初回からずっとスクラップしてもっていてくれるおじいさんなど熱烈なファンも多いと聞く。安井さん、どうやら町内でもそうとうな人気者のようだ。

豊かな発想と行動力で広がる想い

レジ袋のリユースにしてもそうだが、安井さんの発想力には驚かされる。こうして話を聞いている間にも、次から次へとおもしろそうな話が飛び出してくるのだ。
「レジ袋の次はマイバッグをやってみようかと思っています。地元の小学校から頼まれて店での取り組みを子どもたちに話す機会があるんですけど、子どもたちもすごく一所懸命環境について考えてくれるんです。だったら、子どもたちにマイバッグを渡して、思い思いに環境メッセージを描いてもらったらどうかなって。それを自分の親にプレゼントする。“僕のつくったマイバッグを使ってね”って。そんなものもらった日には、親は絶対使わなきゃならないでしょ? 当然、稲毛屋にも買い物に来てもらわないとね(笑)」
子どもたちに囲まれて楽しそうに笑う安井さんの姿が目に浮かぶ。きっと、世界にたったひとつしかないステキなマイバッグがたくさん誕生することだろう。
 「スーパーという現場がある強みを活かして、お客さんが、環境に対する気づきのキッカケを得られる場づくりができたらいいなと思っています。そうしたことが一般的になって、環境を軸に流通・販売が回っていくようになるといいですよね」
地元スーパーから発信される数々のメッセージ。それは、稲毛屋と安井さんを愛する人たちの手によって支えられ、これからもますます広がっていくに違いない。

 

LINK

稲毛屋 http://www.eco-station.gr.jp/inageya/

安井浩和(やすい ひろかず)さん

1978年2月23日新宿区西早稲田生まれ。地元戸塚第一小学校卒業後立正中学、立正高校を卒業の後、明治大学商学部に入学。昭和29年に祖父の始めた肉屋からスタートした父の経営するたミニスーパー稲毛屋で、アルバイトをしながら大学生活を送る。途中、稲毛屋に就職し大学は7年かかって卒業する。大学卒業後店長に就任。 父は小泉チルドレンの一人の衆議院議員安井潤一郎。父が議員になり、自分の独自性を出し色々なアイデアを具現化し始める。 新聞折込チラシによるお客様とのコミュニケーション。そこから始まったレジ袋の使い回し等で様々なメディアに取り上げられている。最近は環境啓蒙活動に目覚め今も新たなコミュニケーションによる新しい形のミニスーパーならぬナノスーパーを構想中。
















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