デンマークは、世界に先駆けて「Vehicle-To-Grid(V2G)」(ビークルツーグリッド)を市場試験することになった。ビークルツーグリッドとは、EV(電気自動車)の蓄電池に蓄積されている電力を、電力系統に供給する技術。電気自動車の所有者は蓄電池を配電グリッド網と接続して電力の安定供給に貢献する傍ら、自動車の寿命中に約10.000ドル相当を稼ぐことが可能になるということで、高価な電気自動車を購入する際のインセンティブなることが期待される。
電気自動車は95%の時間、使用されずに駐車されているという。その時間に電気自動車でもっとも高価な部品である蓄電池をグリッドに接続し、短期的な電気貯蔵装置として使用する。これによりグリッドの配電周波数を安定させることが可能になるという。風力発電などの再生可能エネルギーは発電が断続的になるため、電力の周波数が不安定になる。不安定な周波数はグリッドに接続している機械類にダメージを与える可能性があり、再生可能エネルギーに対する信頼性が失われることになるため、周波数を安定させることは重要な課題だ。
周波数を安定させるための策としては、例えば、ガスタービンや水力ポンプ、大容量の蓄電池などが今までに開発されている。しかし、設備投資と維持に大変お金がかかることが弱点だった。それに比べ、電気自動車の蓄電池は、電気自動車の所有者がすでに購入しているものなので、上記のような投資は必要ない。さらに、電力の需要と供給に素早く対応できることもほかの解決策より優れている。
デンマークで、ビークルツーグリッドが市場試験実施される背景には、同国が情報通信技術を活用して発電と電力消費を最適化する次世代の送電網である、「スマートグリッド」の分野で進んでいるからだ。特に風力発電などを扱うのに適したグリッドを配備していることが決め手となった。デンマークの再生可能エネルギー使用率は34%と、世界でも飛び抜けて高い。
デンマークでの試みが成功すれば、この構想はすぐにも欧州グリッドでつながれているドイツやオランダに拡張される予定だ。電源の自立と分散という意味でも、日本のような地震多発国でこそ普及が望まれる技術ではないだろうか。
翻訳サポート:中野よしえ
文:温野まき
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大塚茂則 (土曜日, 15 10月 2011 15:00)
私は鉛のバッテリーを8年半使っています本来は2,3年で交換です廃車まで使う予定ですガソリン、太陽光、風力などに頼らない無いこれからは電気自動車でなく発電自動車の時代が来ますバッテリーでモーターを回して発電してバッテリーに充電の繰り返し使います知人が発電機を作って販売しています三相200V10アンペアですリチューム電池も少ない量で済み資源の無い国では最高で日本人は優秀ですすぐこの時代が来ます