大日本印刷と慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの産学協同により設立された合同会社マイアース・プロジェクトは、楽しみながら環境問題について学ぶことができるトレーディングカードゲーム「My Earth(マイアース)」の初心者向け商品「スタートパッケージ『陸』『海』」を発売した。
マイアースは、「生き物」カードを使う地球守護プレイヤーと、「地球温暖化」カードを用いる地球破壊プレイヤーに分かれて戦う対戦ゲーム。「生き物」カードには生態系における食物連鎖が、「地球温暖化」カードには温暖化の要因となる現象などが描かれており、カードの組み合わせを考えながらゲームを進めるうちに、生物多様性や地球温暖化についての知識が自然と身につく仕組みになっている。
2008年7月の発売以降、約350万枚のカードが発行され、多くの子どもたちに遊ばれるほか、小学校などでも活用されてきた。一方で、トレーディングカ-ドゲームに馴染みの薄い親の世代からは、「ゲームをもっと簡単に覚えたい」「字を読みやすくしてほしい」といった意見が多く寄せられたという。こうした声を受け、デザインや説明書に改良を加え、初心者にもわかりやすい「スタートパッケージ」として刷新した。「陸」「海」とも各40枚が収録され、価格は1260円。
ゲームの勝敗のカギを握るのが人間の活動だ。「風呂の残り湯で洗たく」「明かりをつけっぱなしにする」といった「人間の活動」カードが、地球を守る側と地球を破壊する側の双方に影響を与える"切り札"として登場する。地球を守るも壊すも、我々人間の活動次第というわけだ。このほか、マイアースの理念に賛同する協賛企業のCSR活動や環境保全活動を紹介する限定カード「チャレンジ・オブ・ザ・カンパニーズ」が年に数回制作されるなど、カードの種類は随時追加されていく。
環境問題はすべてつながっている。なかでも生き物のつながりは、2010年の大きなテーマの一つ。ちょっと分かりにくい生物多様性を学ぶには、ピッタリの教材といえそうだ。
文:加藤 聡
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