5月29日、原油まみれの29羽のブラウン・ペリカンがフォート・ジャクソンにある鳥類リハビリ・センターに運び込まれた。特徴である白にグレーの模様は全くわからない。4月20日に起こったメキシコ湾原油流出事故の被害者で、事故以来、その数は612羽にのぼる。ブラウン・ペリカンは60年代に絶滅の危機にさらされ、近年ようやく数が増えて、昨年は正式に絶滅危惧種のリストから外れたばかりだった。
ペリカンはその再生の歴史ゆえに、ルイジアナ州の住民にとって特別な感情を与える鳥だ。20世紀の始めには、5万を数えるほど繁栄したペリカンは、州旗を飾っているほど。しかし、1960年代にDDTなどの殺虫剤によりその数は激減した。薬の影響で卵の殻が薄くなり、親鳥が卵を暖めるために乗ると卵が割れるのが原因だった。
文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ
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