米国のオバマ大統領が、メキシコ湾やアラスカ、バージニアの沖合で掘削を計画しており、長年にわたる海洋掘削禁止の動きや、大統領戦中の遊説内容を裏切る内容だとして、環境保護グループが猛反対している。
海洋保護グループの"Oceana"は、オバマ大統領の計画は海洋生物や海洋環境を脅威にさらすだけでなく、エネルギー保障や雇用の機会などにも悪影響を与えると主張。Oceanaのキャンペーン主任ジャクリーン・サヴィッツは、海洋掘削ではなく、「海洋風力エネルギー発電や他の再生可能エネルギー開発に財源を集中させるべきだ」と語る。
海洋掘削は、すべてのエネルギーの市場価格を上昇させることになる。雇用やコスト、気候変動を考慮すると、再生可能エネルギーが最も効果的だ。
マサチューセッツ州立大学の政治経済研究所(Political Economy Research Institute)によると、太陽光や風力、電力供給網の向上、エネルギー効率を上げるための技術向上を含めたクリーンエネルギー開発は、100万ドル投資するたびに、石油やガスへ同額投資する場合の3倍の雇用を創出するという。
海洋掘削は、きれいな水や手付かずの自然に依存するそれら沿岸地域の健全な経済活動を危険にさらすことにもなる。掘削がどのような影響を生態系へ与えるかを正確に理解しないまま掘削することは危険だ。アラスカ湾の開発については、掘削が環境的に安全であるという科学的根拠が不十分であるため、控訴裁判所へ上訴される可能性もある。実際、ブッシュ政権時代の北極圏の海洋開発権は適切な科学的根拠に欠けるという判断を、2009年に連邦裁判所は下している。
文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ
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