支援2日目。朝、ソーラーパワートラックのオープンを待っていましたとばかりに、子どもたちが集まってきました。アニメを見る子、ゲームをやる子というように、それぞれが思い思いの時間を楽しみます。なまった体を動かしたいのか、体感ゲームに夢中になる少年の姿も。こんな風に何かに熱中し、少しでも辛いことを忘れられる時間が子どもたちにとっては必要なのです。
旭ヶ丘団地は高台にあるため、坂道がきつく、多くの人が移動に電動アシスト自転車を利用しています。この日もおばあちゃんをはじめ、数人の人たちが自転車の充電を求めてやってきていました。
ソーラーパワートラックに集まる子どもたちやお年寄りを見て感じたのは、まるでかつての駄菓子屋さんのような空間になっているということです。子どもたちが安心して集まれて、笑顔があふれる陽だまりのような場所が、そこには広がっていました。子どもたちが笑顔でいると、大人たちも自然と笑顔になります。このように、子どもたちの心が解放されて、みんなが笑顔になるような活動を続けていくことが私たちの想いです。
コミュニティプラザで、支援物資であるペットボトルの水の荷降ろしをはじめると、どこからともなく人が集まってきて、みんなで手伝ってくれました。ここでは、必要なときに、必要な人たちが、自主的に集まり、力を合わせるというコミュニティーができあがっています。地域の人々のやさしさ、そして結束力の固さを強く感じたのでした。
今回、物資の一つとして、カカオの本場・ガーナの生産者のメッセージが添えられたチョコレートも届けられました。これにはみんな大喜び! 甘いものは人を自然と笑顔にしてくれます。
さて、そろそろ晩ご飯の炊き出しの時間です。なかでも大好評だったのが、トマトをベースとしたミネストローネ。人気料理研究家・五十嵐豪さん考案のメニューです。食べた人がみんな口をそろえて「おいしい、おいしい」と言うので、次から次に人が集まってきます。「オレ、トマトは嫌いで食べられないんだけど、これだったら何杯でもイケるぜ!」と自慢気に話す子もいました。
さらには、震災以降ほとんどお肉を口にしていない人たちのために、カルビ20kgと600本の焼き鳥を用意したのですが、これまた大人気。焼いても焼いてもまったく追いつかなかったのですが、子どもたちが焼き鳥屋の大将のごとく、串をひっくり返すのを手伝ってくれたこともあって、全てのお肉をさばくことができました。このほか、新宿イカセンターさん提供のイカ飯も大好評で、こちらも完売状態でした。
その夜、私たちは、区長さんの家に迎えていただき、現地のさまざまな状況をお聞きしました。胸が痛む話、元気が沸くような話。本当に色々なことを考えさせられました。
昼間に歩いた団地周辺では、まだ至るところで、道路の陥没やひび割れが目立ちました。そして、高台から見えたのは、思わず目をそらしたくなるような光景。しかしこれが現実です。ここに暮らす人たちは、その現実を受け止めながら、一歩ずつ歩み始めています。その力強い歩みを、咲き始めた桜の花が応援してくれているようでした。
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