ソーラーパワートラックを被災地に! 街に戻った音楽と笑顔

 被災地支援4日目。朝早くからソーラーパワートラックの周りは、(我々が持ち込んだ)洗濯機の脱水機能を利用する人でにぎわっています。濡れた洗濯物はいくら手で絞っても、十分に水が切れないため、なかなか乾かないのだとか。まだまだ水も冷たく、洗濯はかなりの重労働です。しかし、脱水機で絞った洗濯物の軽さにはみな驚いており、電力のありがたさを改めて実感します。

 

 

 新宿イカセンターのみなさんが到着すると、すぐさま炊き出しの準備に取り掛かりました。本日の目玉は、なんと東京から生け簀で直送してきた新鮮な活イカ! 被災地の方においしいイカの刺身を食べさせたいという料理人の心意気が伝わってきます。

 そんな噂を聞きつけてか、完成前からものすごい人の行列が。調理スタッフの方々も、その期待に応えるべく、みるみる料理を作り上げていきます。イカのポンポン焼きに、イカ焼きそば、雑炊。そして、その場で生きたイカをさばいての活造り。あるおばあちゃんは、「刺身なんて本当に久しぶり。涙が出るほどおいしい!」と声を上げていました。

 

 そしてこの日のもう一つの見どころが、被災地に笑顔を届けようとやってきたリスマイルプロジェクトのパフォーマーたちの存在。大人たちが炊き出しに並ぶその裏で、見事なバルーンアートをプレゼントし、子どもたちを喜ばせていた「ちゅーりっぷ」の2人。ノリノリのダンスで、子どもからお年寄りまで、世代を超えて大森地区を一つにした「銀座本店」のダンスパフォーマンス。聞く人を魅了したシンガーソングライターの「香蓮(かれん)」さんによる弾き語りライブ。炊き出し会場は、ライブハウスさながらの大盛り上がりを見せました。

 

 大森地区の区長さんによると、震災発生以来、この街に音楽が流れたのは今日が初めてとのことでした。これまでの避難生活は、物資の配給に並んでは帰るだけの毎日。多くの避難住民は、楽しい気分になることなどなかったと言います。ところが今回、私たちの訪問によって、音楽が流れ、楽しいパフォーマンスを見ることができたこと。そして新宿イカセンターのみなさんの威勢の良い掛け声と温かな食事によって、元気と笑顔をもらえたと、非常に喜んでいただきました。そのうれしい言葉に、遠征の疲れも思わず吹っ飛んだのでした。

 

«一つ前のページへ戻る