LED照明の購入には演色性(えんしょくせい)が要注意です!

 老人ホームの照明をLED照明に替えたら、病人みたいに青白い顔になったとか、レストランの料理が美味しそうに見えなくなったとか、これらすべて演色性が低いのが原因です。

 

 演色性とは、ものの色の見え方と光源の性質の関係です。太陽の光を100として、それより数字が低くなるに従い太陽光のもとでみえる自然色と、かけ離れた見え方になります。

 

 演色性は光のスペクトルから求められ[Ra]という単位で表します。CIE(国際照明委員会)空間別推奨Raで使用用途として好ましい数値を定めています。節電用に光の効率(ランプ効率)を優先すると演色性が低くなります。反対に高い演色性を求めるとランプ効率が悪くなります。トンネルの照明が青白く感じたことはなるかと思いますが、これは演色性よりもランプ効率を優先しているためです。

 演色性の評価には試験色を使いますが、そのなかに「西洋人の女性の肌色」「日本人の女性の肌色」「木ノ葉の色」があります。なんで女性なのかの説明はさておき、演色性が100に近ければ近いほどキレイに見えます。

 

 JISの照明基準総則では住宅用の照明を80以上にすることを推奨しています。リビング、寝室などの住空間は必ず80以上にしましょう。またレストランや衣料品店などは90以上を推奨します。

 

 もともとLED照明は演色性が低く、昼光色、昼白色と表示されているLED照明は80以下が一般的です。80以上は高演色タイプなどと表示されています。また高輝度タイプは演色性よりランプ効率を優先した商品ですので、演色性は悪くなるので間違わないでください。演色性の数値(Ra)は商品に記載されていない場合も多いのですが、必ず確認して買い求めましょう。

 

PROFILE

辻川 英章(つじかわ ひであき)

 

新潟県出身。中央大学電子工学科卒業後、電子部品機器商社で半導体、各種電子部品及び製品、PCディスプレイなどの販売に携わる。

 

各種PCボードの企画設計、製造販売事業の立ち上げや、ファミコン、MSXなどのゲームソフトの企画制作、ROMカートリッジの製造受注なども立上げた後、ゲームソフト企画開発及び販売会社を設立。任天堂、セガ、ソニー、マイクロソフトなどのゲームソフトの企画開発、販売をおこなう。

 

セガ・ドリームキャスト用として1999年に『東京バス案内』を自社開発。その後PS2やアーケードゲームへ移植、続編もリリース。さらに自動車教習用ドライビングシミュレータへと繋がり、そして2009年空間情報サービスの国際航業㈱とともの企画開発したArtMap(自動生成立体地図)へと繋がりました。

 

2003年にはデジタル機器、コンテンツの企画開発及び販売を目的とした有限会社楽画企(Rakugaki Inc.)を設立し、任天堂『DSおりがみ』の企画制作や、LED照明をソリューション事業として、導入コンサルティング及び販売事業を開始。

 

現在は次の事業他、各種デジタルコンテンツのプロデュースをおこなっております。

◇ArtMapデータをもとにしたデジタルコンテンツ及びサービス事業

◇iPhoneなどスマートフォンアプリ企画制作及びプロモーション事業

 iPhone iPad ソーシャルアプリ“Enjoy Japanese Origami”をリリース。facebookページなどで展開中。

◇LED照明のソリューション及び販売事業

 健康障害や節電効果が少ないなど、導入が難しいLED照明の導入コンサルティング及び販売事業を展開中。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    中須岳士 (日曜日, 15 7月 2012 11:39)

    貴殿のHP上にて、LEDの演色性についての記述を読ませて頂きました。
    当方、日本映画テレビ照明協会では、隔月で「スポット」という会報を発行しており、
    出来ましたら、貴殿の記述を転載させて頂きたいのですが…ご許可いただけますでしょうか?
    宜しければ、先号をサンプルでお送り致しますが…。
    なにとぞ宜しくお願い申し上げます。
    日本映画テレビ照明協会・副会長 中須岳士  naslightin@me.com

  • #2

    Kusakabe Youichi (月曜日, 13 1月 2014 15:19)

    演色性の説明している著者の写真の色味が悪いのは納得いかん ;)

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