12月に入り本格的に寒くなって参りましたね。
節電の“夏”から一気に節電の“冬”モードです。当たり前のことですが、冷房より暖房期間の方が長いし、長時間つまり総量も増えるのは当然です。夏場のようにピークが一極集中しない面はありますが、雪が降るようなかなり寒い日には朝方、夕方~晩にかけて集中するのも当然のことです。暖房にエネルギーがかかってしまう分、他のことで負荷をかけないような努力も必要ですね。
さて、今回は1985運動提唱者・野池政宏さんが2007年に立ち上げた自立循環型住宅研究会で毎年開催されるフォーラムがありまして、そこでは全国会員の中から立候補者が住まいつくりの様々な取り組みや性能や実験を検証しそれらを発表して優秀者を決める“アワード”なるものをやっています。
『【環境家計簿】を用いた住まいのエネルギー使用量把握とその考察』というタイトルで、同社が手掛けた家の家庭別に年間のエネルギー使用を直接出向いて拾ったり、電話等でヒヤリングしたりと、更に凄いことにそれぞれの住宅性能・特徴・暮らし方等々も加味した分析を行っています。更にスタッフ12組でアパート住まいの方や入社前に別会社で建てたスタッフのデータも比較の為に取っています。
12組アパート調査では・・・ ・1985運動の目標である50%消費エネルギー削減達成家族は4組。55%以下を含めると8組とほぼ7割近い達成率で55%組はちょっとの努力で間違いなくクリア出来ることがわかる ・家族構成も4人が1組、他は3人以下 ・オール電化0 ・消費量が多い2組とも在宅期間や暖房時間そのものが多い というような結果になり、当然ですが、エネルギー消費量はオール電化や家族構成・ライフスタイルにかなりの影響があるということです。
さて、ここからは私のお話しを。
今回のエコワークスさんの検証でもあったように、アパート等の集合住宅の断熱改修は間違いなく即効性があるということです。そもそもの延べ床面積も小さいし、真ん中の部屋なら両側の部屋が断熱材代りをしてくれるし、どう考えてもエネルギー効率は良いんですよね。
ちょっと外れるかもしれませんが、建築時の材料や工費も合理化されてとても効率的なんです。ドイツでは特にこの集合住宅の断熱改修に国をあげて力を入れている為、今では建築業界は新築よりもこうした断熱改修型のリフォームの方が圧倒的に高くなっているんです。
また、私の家もオール電化でつくってしまったのでエラそうなことは言えませんが、オール電化は間違いなく1次エネルギー消費を増やしてしまいます。確かに深夜電力で電気代は今のところ安くはなっていますが、これから先は間違いなく高くなるでしょうから、その部分は大いに考えなくてはならないでしょう。
それと、特に新築は性能が上がれば間違いなく消費エネルギー抑制になっているので太陽光パネルを搭載するよりもまずは箱の性能向上に予算を割いて、余裕があれば設備に向かって欲しいところです。
なんせ、万一エネルギーの兵糧攻めに遭ったら箱の性能が高い家の方が間違いなく生き延びる確率は高くなるわけですから! エネルギーを垂れ流しながら太陽光発電しても何も貯まりませんからね。母屋でおかゆを食べて、離れですき焼き食べちゃダメなんです^^
発表にあった71~100%のゾーンが少ないというのもすごく興味深い事実ですね。逆を言えばそのゾーン対策を何か考えればそれはそれで確実に向上することでしょう。このあたりはForward to 1985 energy lifeコアメンバー会議等々で知恵を絞らないとですね。
さぁ、節電の冬もみなさん力を合わせて乗り切って参りましょう\(^o^)/
≪資料協力≫ エコワークス(株) http://www.eco-works.jp/
PROFILE
吉田登志幸(よしだ としゆき)
有限会社オストコーポレーション北関東 代表取締役
1970年1月2日生まれ。大阪府出身。明治学院大学経済学部商学科卒 1992年4月株式会社山善住設建材部入社 2001年4月同社退社、5月現在のスウェーデンの建材と自然素材商品に特化した販売会社を設立 2010年12月業界初格付け型住宅ポータルサイト素晴らしき地場ビルダーランド開設(自身もサイト内ナビゲーターをつとめる)
自立循環型住宅研究会関東支部代表世話人
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