アメリカでもっとも歴史の古い環境保護団体のシエラクラブは、寿司ネタに含まれる水銀量がわかるアプリ「セーフ・スシ(安全な寿司)」をアンドロイド系とiTunesで配信を開始した。
食物連鎖の上部の食物を食べるほど、多くの水銀を消費していることは知られているが、「セーフ・スシ」を使用すれば、どの魚の水銀量が多いのか、そしてどの程度の水銀を消費しているかが一目瞭然だ。
2種類の使い方がある。1つは水銀含有量の多い順の魚のリスト。もっとも含有量の多いカテゴリーには、マグロでは大トロはもちろんのこと、中トロも含まれている。2つ目は魚の種類で検索する。メニューにある魚の水銀量を注文前に調べることができるというわけだ。
シエラクラブによると、水銀は主に石炭火力発電所で発生し、大気に放出され、雨とともに河川に流れ込み、魚の体内に入るという。そのような水銀汚染の魚を食べることで、人間の体内に水銀が入る。新しいアプリでは、水銀が大気中から食物連鎖に入るまでをイラストで紹介するチュートリアルもついている。
ほとんどの人々にとって、少々の水銀は大きな問題にはならないと言われる。しかし、妊婦など特定の人々にとっては大変危険な物質である。約1/6のアメリカ人女性は、胎児を危険な状態にするのに充分な量の水銀を体内に保有しており、毎年30万の赤ちゃんが水銀中毒のリスクを負って産まれてくるという。
「セーフ・スシ」は、賢い選択をする役に立つのはもちろんだが、同時に太陽光発電などに代表される「クリーン・エネルギー」に対して、火力発電などの「汚れたエネルギー」と、我々が口にする食べ物との関係に注意を向ける絶好の機会も与えてくれそうだ。
翻訳サポート:中野よしえ
文:温野まき
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