知って得する電力料金活用術 その②料金値上げのホントを解説!

知って得する電力料金活用術

知って必ず得する電力料金活用術と題して、料金値上げをできるだけカンタンに解説します。

前回は、その①電力料金体系 わかりづらい料金体系を解説したましたので、
今回は、その②電気料金値上げ  値上げのホントを解説します。
その③節電・節約法 どうしたらいいのか?解説します。(予定)
その④電力の未来 これからどうなる?どうしたらいいのかを解説します。(予定)

6月9日(土)、埼玉で東京電力の値上公聴会が開かれました。そして、
東電の企業向け料金値上げ 抵抗に限界「諦め」の声 (産経新聞) 
のように電気を止められたら企業、商店は仕事ができないので渋々承諾するしかありません。

原発事故前までの日本の電力は、諸外国に比べ高いが安定しているので、
不安定な海外に比べて停電にたいするリスクが少ない良質な電力でした。

しかし今や停電に対するリスク回避や節電・節約方法を真剣に検討する時代になりました。
そのために今回は値上げのホントを分析してできるだけカンタンに解説したいと思います。

*前回と同様、それぞれのシートで解説しますがJPEGで少々見にくいかと思います。
 最後にSlide Shareでまとめましたので、そちらをご覧ください。


その①電力料金体系で解説したとおり、
電気料金を自由に決められる自由化部門(特別高圧、高圧)と、
国に許可が必要な規制部門(従量電灯、低圧電灯)があります。

東京電力の自由化部門のモデルケースの値上げ率は、
特別高圧 : 18.1%
高圧    : 13.4%
としてあります。

規制化部門の平均値上げ率は平均値上げ率と10.28%として、標準モデルの値上げ率は、
一般家庭
(従量電灯B) : 6.9%

商店など
(従量電灯C) : 14.4%   
(低圧電力)  : 9.9%   
(低圧高負荷) : 12.5% 
としてあります。

これを見ますと大手企業向けが値上げが大きく、一般家庭や商店などは小さいようですが、
ホントのところはどうなのでしょうか?

モデルケースや標準モデルは東京電力が決めているわけであって、
なんとなく誤魔化されているように感じます。


では実際の数字はどうなのでしょうか? 
率ではなく節電・節約のためには、数字をキチンと理解してうえでの対策が必要です。


では、まず自由化部門から




特別高圧は大規模工場、大型商業施設、オフィスビルなどが対象です。



高圧は中規模工場、スーパー、中小ビルが対象です。

特別高圧
基本料金 1585.5円 
電力量料金 (夏季)14.82円 (その他)13.86円
*区分けにより金額が違いますが説明は省きます。

高圧 
基本料金 1,638円
電力量料金 (夏季)16.36円 (その他)15.26円
*夏季は7~9月の3ヶ月です。

量を多く購入すると安くなるわけです。当り前ですが・・・
規制化部門に比べ基本料金は高く、電力量料金は安くなっています。

一般家庭に比べて料金全体に占める割合は基本料金の方が大きく、まず基本料金を下げる方策を講じます。



基本料金はデマンド方式で決まります。

電力量を30分単位で計測して、ちょっとでも高くなると次の12ヶ月は基本料金が高くなります。
逆に低くなっても安くなるのは、その12ヶ月が終わってからです。
詳しくはデマンドコントロールシステムの紹介



今回の値上げでは基本料金はそのままで、電力量料金が値上げになります。

その値上げ金額は、
特別高圧 2.58円
高圧 2.61円

東京電力のモデルケースでは、それぞれ18.1%、13.4%となっていますが、これにはとんでもないカラクリがあります。


自由化部門のお客さまに対する電気料金のモデルケース

このモデルケースでは特別高圧、高圧ともに電力量料金のみの計算で、契約電力を含めていません。

契約電力も含めた値上げ率はもっと低くなります。

どうもこのモデルケースは、値上げ率を少なく見せるための意図的に作ったモデルケースとしか思えません。

また、モデルケースは規制部門のように「標準」でないのは、自由化部門は文字通り自由に決められ企業との機密保持契約を盾に公開してなく、実際にはこれより低いのが「標準」であると推測されます。

大手企業は今回の値上げに対して、反対の声が小さいのはこれが理由ではないかと、これも推測ですが。

国が資金を出して支援してるわけですので、包み隠さず公開して欲しいものです!!!


次に規制部門です。


一般家庭は従量電灯B、オール電化住宅や大きな家では従量電力Cになります。どちらも
基本料金は、1kWh 273円と変わらず、
電力量料金の値上げ金額、値上げ率は
     ~120kWh 0.74円  4.02%
120~300kWh 2.3円   9.82%
300~      4.89円  19.81%
となり、使えば使うほど値上げ率が高くなります。

東京電力の一般家庭の標準モデルにおける電気料金値上げ額では6.9%になってますが、
標準モデルとはどういう家庭なのかと聞きたくなります。

というより、この標準モデルには基本料金も含まれた値上げ率になっていて、
特別高圧、高圧のモデルケースには基本契約電力はふくまれていません。数字のカラクリです。




商店、コンビニ、小規模工場など動力系を使う場合は、
従量電灯B(C)+低圧電力の両方を契約して少しでも安くなるようにしています。

低圧電力の
基本料金は1,071円で変わらず、
電力量料金 (夏季)3.55円 24.36%   (その他)2.84円  22.34%
大企業向けの特別高圧、高圧に比べて値上げ金額も、値上げ率も高くなっています。

これでは商店、コンビニ、中小企業は動力系などを節電しようと照明よりエアコン温度を下げようと必至になりますね!


動力系を多く使う、企業向けに低圧高負荷契約というのがあります。
これは従量電力+低圧電力を合わせた契約です。

低圧高負荷電力の基本料金は1,260円で変わらず、
電力量料金 (夏季)2.85円 18.27%   (その他)2.38円  16.54% 

低圧電力よりも安くはなりますが、従量電力料金は逆に高くなりますので動力系の料金比率が高いほうがメリットがあります。
なお契約電力が30~50kWhに限られていましたが、今回の値上げ実施に合わせて15kWhからに下げましたので、いままで契約できなかった商店なども契約できるようになりましたので、よくシミュレーションしてみてください。


最後に標準モデル



標準モデルを3つのモデルケースに分けて値上げ金額、値上げ率を説明してます。

平均モデルでは30Aとなっていますが、これはいつのモデルなんでしょうか?と聞きたくなります。
東京電力は30A契約が42%で一番多いと言っていますが、50と60Aを合わせるとほぼ同率になるようです。
ここでも数字の誤魔化しというかカラクリがあります。

冷暖房を必要とする建物に生活している現在の一般家庭は50~60Aが標準なのではないでしょうか?
ちなみにわが家は4人家族で50A契約、電力使用量は平均すると280kWhです。
私は冷房が嫌いですし、節約しているつもりなのですが、それで平均なのかと・・・


商店、小規模工場のj標準モデルは12kVA契約(≒120A契約)は一般家庭の標準モデルの30Aの4倍。
電力使用量は960kWhで、こちらは280kWhの3.3倍と、こちらも使用電力量を低く押さえて値上げ率を低く抑えようとしているカラクリが見えてきます。

どうも電気料金値上げを解説ではなくて、東京電力の数字のマジックを暴くようなブログになってしまいました。
意図したわけでなく、調べて解説しているうちに、どうして?と疑問が湧いてきてしまいました。

疑問が沸かないようにスッキリしてもらいたいものです!!!

ここまで解説で、みなさんなにか気が付きませんか?

値上げ率ではなく値上げ額です。

自由化部門の
特別高圧、高圧は2.58円、2.61円

規制部門の
従量電灯B(C) 0.74円、2.3円、4.89円
低圧電力 (夏季)3.55円 (その他)2.84円 

低圧高負荷 (夏季)2.85円 (その他)2.38円

自由化部門も規制部門も値上げ金額はほとんど変わらず、逆に高くなっているようです!
値上げ率で自由化部門より規制部門の方が安く、配慮したように見せかけていますが、
実際にはほぼ同じ金額だけ値上げしてます。

再生可能エネルギーの負担金であれば、喜んで負担しますが、
原発処理のための負担金となれば、喜んでというわけにもいきません。


おおよその値上げを理解できたでしょうか?
次回、その③はそれを踏まえて節電・節約法を解説したいと思います。

夏場の節電は冷房を温度を2度上げて28度にしましょうとなっていますが、
LED照明にすると熱の上昇が抑えられ冷房電力量も抑えられ、費用もやすくなります。

消費電力が1/2~1/10になるわけですから当り前のことなのですが、ほとんどの方が知らないのです。
特に商店の方は効果があります。
先日近くのメガネ屋さんから冷房を効かせるためにLED照明を導入し、実際に効果が現れています。

これらのご相談をLED照明代替電力費用試算サービスにて受け付けておりますので、お声がけください。


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