子どもたちがギタリストの佐藤タイジさんらに習いながらあちこちでエレキギターを鳴らしています。子どもたちの笑顔の先には、太陽光発電を行うソーラーパネルがあります。このパネルはバッテリーにつながれ、一般の電力につながなくても太陽があれば発電、蓄電されるキット。全国の地域電力作りに奔走する藤野電力さんの協力により子供たちの手でつなぎ、電気をつくっています。
このイベントは5月23日、24日の2日間にわたって、福島県南相馬市の太田小学校、上真野小学校で行われた「そらべあスクール電力プロジェクト」のひとこまです。
自然エネルギーを福島の子どもたちと学び、つくる
そらべあ基金では、そらべあをキャラクターとしたDVD環境教育教材を使用した授業やソーラーキットを作るという体験を通じて子供たちに再生可能エネルギーの重要性を伝えたいという目的をもってこのイベントを実施しました。
まず1時間目は、そらべあDVD環境教育教材を子どもたちに見せ、地球温暖化をテーマとしたクイズなどを実施し、今地球がどんな状態なのか子どもたちに考えるきっかけをつくります。
そして2時間目は実際のソーラーキット作り。太田小学校では6年生の生徒計16名が、上真野小学校では4年から6年生までの生徒57名が参加して、全部で14枚のソーラーパネルを蓄電池やインバーターなどの機器に配線でつなぎました。
50Wのソーラーパネルで、1日あたり200W程度の発電量。非常の時の電源としても充分使えます。藤野電力さんの丁寧な説明を聞く子どもたちの顔は真剣。配線をつくるという初めての作業に四苦八苦しながらも、最後にライトがつくとみんなから拍手がわきました。
楽しみ、体験することから何かが始まる
さあ、最後はお待ちかねの佐藤タイジさんのライブです。太陽光発電で武道館コンサートを行うという「ソーラー武道館」のイベントを昨年末に成功させ、「一般社団法人ザ・ソーラーチルドレン」を立ち上げたギタリスト佐藤タイジさん。子どもたちが作ったソーラーキットを音源としてヒット曲「ありったけの愛を」披露。
そして、子どもたちもみんなエレキギターを弾くことに。タイジさんが持ってきたアンプ付きエレキギターを始めて弾いてみる子どもたちには笑顔があふれます。自分たちで作った電気で鳴る音はどんな風に聞こえたでしょうか。
「またギターを弾いてみたい」という子どもたちもたくさん。そんな子どもたちのために、タイジさんからはギターのプレゼントもありました。
そらべあを通じて学んだ地球の現実、そして自分たちの手を動かして体験した自然エネルギー、最後にそれを使って楽しんでと盛りだくさんの総合学習。もしかしたら子どもたちの未来を変えていくものになるかもしれません。
PROFILE
箕輪弥生 (みのわやよい)
環境ライター・マーケティングプランナー、NPO法人そらべあ基金理事。新聞、雑誌、webなど幅広いメディアで、環境と暮らしをテーマにした情報発信や、環境に配慮した商品の企画・開発などにかかわる。著書に『エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123』『環境生活のススメ』(飛鳥新社)『LOHASで行こう!』(ソニー・マガジンズ)などがある。自身も自然エネルギーや雨水を活用したエコハウスに住む。
オフィシャルサイト http://gogreen.petit.cc/
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