放置されていた間伐材が続々と集まる、「木の駅」プロジェクト

太さが不揃いで曲がっている間伐材の用途は限られている
太さが不揃いで曲がっている間伐材の用途は限られている

 二酸化炭素をどんどん吸収する元気な人工林にするためには、間伐(木を間引く作業)が必要だ。ところが、細かったり曲がったりしている間伐材は、建材などに利用しにくいため、森林内に放置される例が多い。

 

 それらの木を活用するために考え出されたのが、「木の駅」というプロジェクトだ。農家が野菜などを道の駅に出荷するのと同じように、山の持ち主が間伐材を軽トラックなどに乗せて、「木の駅」運ぶ。すると間伐材1トンに対して6,000 円程度の地域通貨が山の持ち主に渡され、地域通貨が使用可能な地元の商店で飲食や買い物ができる。つまり、山の持ち主は小遣いを稼げる上に、地域通貨が使える商店もお客さんが増えるというわけだ。集められた間伐材は、チップにした後にボイラーの燃料や、製紙原料などとして使われる。

 

 このプロジェクトは高知県のNPO法人が始めたものが原型だ。その後、岐阜県恵那市、鳥取県智頭町、愛知県新城市、岐阜県大垣市、高知県土佐町など、全国に広がった。ただし、山主に渡す地域通貨よりも、チップとしての買い取り価格の方が安いため、その差額を寄付金や補助金、助成金でまかなわなければならないなど、多くの課題も抱えている。

 

文/岩間敏彦

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