里山エネルギー株式会社が立ち上がりました!

 『里山資本主義』に語られなかった里山の現在 

 

 日本では今、ちょっとした里山ブーム。3月29日、30日の2日間、パシフィコ横浜では里山・里海の価値を見直そうと呼びかける「SATOYAMA&SATOUMIへ行こう2014」というイベントが開催されました。なんと主催はモーニング娘。が所属するアップフロントグループ。多数のアイドルが参加し、自然を守る大切さを訴えています。

 

 里山ブームのきっかけの一つに『デフレの正体経済は「人口の波」で動く』を書いた藻谷浩介さんとNHK広島取材が組んだ『里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く』の出版があります。

 

 この本は森から生まれるエネルギーを地域の活力に変えた成功事例を描いていて、少子高齢化などの人口減に直面する地方の人たちに希望を与える内容だと言えるでしょう。でも、環境保全に永く関わった僕らとしてはちょっと食い足りない。日本の里山の現状についてしっかりと書かれていないのです。

 

 数10年前の里山は持続可能な資源の調達の場として人の手で管理されていました。農作物を栽培する肥料にする落ち葉かきを行い、伐採の時期に達した木々は薪・炭など燃料として使われ、山菜やきのこの採取場所として農村の暮らしの中心に存在していたのです。こうして手入れが行き届いたきれいで見通しの良い里山は子供たちの虫取りの場として、野山を駆けまわる冒険の場として機能しました。

 こうした里山の姿が一変するのは化石燃料というエネルギー源と出会い、私たちが大量消費社会を作りだしてからのことです。里山で持続的に生み出されてきたエネルギーは化石燃料由来の大量生産型資源にとって代わられていきました。

 

 私たちの暮らしを支えることがなくなった里山は、人の手による管理が滞り、イノシシやシカの棲家になり、農作物被害の温床となった。農村の高齢化も影響して草刈がされない状態が進み、ゴミの不法投棄が頻発するなどの問題も抱えています。地球温暖化同様、化石燃料の大量消費によるひずみの犠牲になったとも言えるでしょう。

 

 多くの問題を抱える里山ですが、ちょっとした整備を行うことで、かつての里山に近い状態に戻せる場がたくさんあります。自分たちの手で里山を整備することにより、里山の利用頻度が上がり、鳥獣害や不法投棄を減少させ、そのエネルギーを電気や熱で回収し、子供たちが利用することで環境教育にもつながります。また、太陽光発電のような再生可能エネルギーを市民が共同で開発し、現代社会における里山のように育てていこうという考え方もあります。

 

 こうした要望に応えるべく、エコロジーオンライン発の取り組みとして里山エネルギー株式会社が立ち上がりました。里山の自然景観を生かした太陽光発電の導入や、イモのような持続可能な資源を活用したバイオマス発電、農業と発電が太陽光をシェアするソーラーシェアリング、自然の水の流れの電気に変える小水力発電、地域の森から生まれる森林資源を燃料に加工するなど、地域のなかにあって自然や景観を破壊せず、地域の資金が還流し、小さな雇用が生み出されるエネルギーづくりを手がけます。目指すは自然も農もエネルギーも癒しも供給する新たな里山の創生。里山資本主義はこれから自分たちの手でつくるものです。一緒に考えていきましょう。


ウェブサイト

里山エネルギー株式会社/ナノ発電所ネットワーク

里山エネルギー株式会社

代表取締役 上岡 裕

 

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