以前のEOLニュースで、2013年2月に環境省がニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定したことを紹介しました。そして2014年6月、今度は国際自然保護連合(IUCN)が発表している最新版のレッドリストでも、ニホンウナギが「絶滅危惧種」に分類されたのです。これにより、ニホンウナギは日本だけではなく、国際的な絶滅危惧種として認定されたわけです。
国際自然保護連合のレッドリスト自体に法的な拘束力、例えば、ニホンウナギを捕まえたら法律で罰せられるといった力はありません。しかし、レッドリストは絶滅が心配される種の国際的な取引を規制しているワシントン条約に大きな影響力を持つため、今回の掲載でニホンウナギの取引に規制がかかる可能性が高まったことになります。ワシントン条約によってウナギの取引が規制されれば、日本の食卓からウナギが消えることになるかもしれません。
ニホンウナギ減少の要因としては、環境汚染や過剰捕獲といった点が指摘されています。レッドリストへの掲載は、絶滅危惧種になるまでウナギを食べ尽くしてしまった我々消費者や、汚染対策を怠ってきた日本への警告を意味しているといっていいでしょう。ニホンウナギの個体数を回復するためには、河川や海洋環境の改善はもちろんのこと、日本人一人ひとりが危機的状況であることを認識し、これまでのような、ウナギを安価に大量消費するといった意識を改める心構えが求められます。
文/EOL編集部
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