九州電力に引き続き、東北電力が固定価格買取制度に基づく再生可能エネルギー発電設備の接続申込み中断を検討と発表し、四国電力も同様の検討を開始したと報じられています。
これを受けて、26日の小渕経済産業大臣の会見では、九州電力による接続申込み保留措置を受け、電力大手各社がどれだけ新規の発電所を受け入れられるのかの緊急調査を行う方針が示されました。
電力会社が新規の接続申込みを受け入れやすくするために、現在は年間30日以内とされている電力会社による自然エネルギー発電所への出力抑制措置を、九州電力管内では30日以上に拡大することを検討するとも発表されています。
既に同様の措置は北海道電力管内で実施されており、この出力抑制が行われた場合は発電事業者への補償(売電できないことによる損失の補填)は行われません。
出力抑制が広く認められるようになれば、例えば昼間の電力需要を超える太陽光発電の電力供給が行われた場合でも、電力会社は抑制措置を取ることで送電網の安定を図ることが出来ます。そうすることで、現在よりも多くの発電所を送電網に受け入れられるということになります。
一方で、発電事業者としては売電収入の見込みをシビアに見る必要が出てきます。出力抑制がかかるかどうかは事前の予測が難しいので、事業計画を立てる際に最大限出力抑制が行われた場合を想定した資金繰りを考えなければならなくなるでしょう。
固定価格買取制度が導入されてから2年3ヵ月が経過しようとしていますが、制度が大きな転換期に差し掛かってきたようです。
馬上 丈司
千葉エコエネルギー株式会社代表取締役
*この記事はちばえこ日和から転載させていただきました。
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