【発電部】恐竜型エネルギーから哺乳類型エネルギーへのワンステップ! 婚前道中膝栗毛の連載が始まります

婚前道中膝栗毛
熊本を旅する婚前道中膝栗毛のお二人

リアカーにそらべあ・ナノ発電所を搭載し、全国の原発を自分の足で歩いて回っている人たちがいる。婚前道中膝栗毛のお二人だ。

 

福島第一原発の事故以降、エコロジーオンライン発電部部長として、ラジオに出たり、シンポジウムに呼ばれたりすることが多くなった。元来、お調子者の自分はその場の勢いにまかせて「近い将来、大きくて、小回りの効かない恐竜型エネルギーから、小さくてスマートな哺乳類型エネルギーに進化する」と無責任に話してきた。

自分は80年代、ソニー・ミュージックの社員として、ウォークマンが音楽を解放し、特定の時間や場所で楽しむものから、暮らしの隅々に存在するものへと大きく変化するイノベーションを間近で見た。その後、家に固定されていた電話が解放され、常に持ち運べるものに進化し、小さくなり、賢くなり、パソコンやウォークマンと同じ機能を持つまでに進化するappleのイノベーションも体験した。

 

自分は14年前のエコロジーオンライン立ち上げの頃から、再生可能エネルギーに関わってきた。自宅の屋根には15年近く太陽光発電を乗せ、その恩恵にも預かった。そんな自分でも、屋根の上に固定された太陽光発電をいつしか忘れがちになり、エネルギーを当たり前に生み出していることに感謝することさえ忘れていた。

そんな自分の頭を棍棒でガツンと殴りつけたのが福島第一原発の事故だった。あの日から自分の人生は大きく変わった。

 

再生可能エネルギーに関わってきた自分のところに、福島の復興にメガソーラーをやりたいとか、市民共同発電所をやりたいのでセミナーを手がけて欲しいとか、福島から全国からいろいろなお誘いが来るようになった。そのなかで、ソニー出身の自分が常に感じたのが、エネルギーはなぜもっと小型化され、モバイル化され、スマートにならないのかということだった。

 

大きなエネルギー転換の話をセミナーでしても、思いはあるが資金や家を持たない若い人たちにはかなり遠いことのように思えた。そんなことをきっかけに再生可能エネルギー発電所を小型化するナノ発電所の構想が生まれた。その後、システムトークスというパートナーを得て、5つのタイプのナノ発電所をつくり、全国のイベントや、施設で活用されるまでに成長し、資源エネルギー庁のグリーンパワープロジェクトともコラボするようになった。

 

いつしかそんな自分にチャレンジしてみたい夢ができていた。ナノ発電所を持って全国を回ってみたいという夢だ。エネルギーが哺乳類型になるというなら、移動しながら賢く使えることを身を持って示すしかない。しかし残念ながら、団体が抱えたリーマンショックの後始末や、東日本大震災の復興支援など、様々な仕事に追いまくられ、アップアップな日々が続いてきた。今回、そんな自分の夢を叶えてくれる若者たちが出てきた。それが婚前道中膝栗毛だ。

 

ナノ発電所もその核の一つとなって生まれた哺乳類型エネルギーのイノベーションはまだまだ始まったばかりだ。当然、便利な暮らしに慣れてしまった現代人のかゆいところすべてに手が届かない。だが、哺乳類型エネルギーだけで旅することで、多くのものが見えてくるだろう。かゆいと思って電気で処理したもののなかに、自分の手や足でできることが多いことに気づくだろう。

 

こうした活動から、哺乳類型エネルギーのイノベーションにつきあってやろうという奇特な仲間が出てくるかもしれない。いや、もう出始めているのだと思う。

 

これから彼らがどんな道行をするのか楽しみでしょうがない。そんなわけでエコロジーオンラインにも彼らの旅のレポートを入れてもらおうと思っている。どうぞ楽しみにお待ちください。

 

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エコロジーオンライン発電部部長 上岡 裕

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