世界の国々で生産される食品のうち、廃棄物として捨てられているものは約1/3。その総額はなんと48兆円。このまま行けば2030年にはその額が70兆円を超えてしまう!
先週、こんなニュースが世界中を駆けめぐった。
このニュースの発信源はイギリスを中心に活動するNGOの“Waste and Resources Action Program(ゴミと資源に関するアクションプログラム”。
食品廃棄物の問題はもったいないだけでなく、気候変動にも大きな影響があるというのだ。
食品の原料となる農作物をつくるには、大量の水や化学肥料、農薬が使われている。しかも耕作に使われる農機具には石油は欠かせない。生産された農作物は大量のエネルギーを消費して消費地まで運ばれる。そして、食べられることなくゴミとなり、埋め立て処分場に持ち込まれた食品は微生物に分解されてメタンを排出する。そのメタンは地球全体で排出される温室効果ガスの7%を占める。なんと国別排出量で比較すると、中国、アメリカ合衆国に次ぐ第三位の排出量だ。
そして何より、日々の暮らしで満足な食事にありつけない人たちが世界に8億人も存在する。この人たちのことを考えたら今のままでよいはずがない。
これから世界では途上国を中心に中産階級が増えていく。それにともなって食品廃棄物が増加することになる。世界から食品廃棄物を無くしていくためには、先進国でその賞味期限を延ばすことや、長期保存ができるパッケージを工夫したり、途上国で冷蔵技術の普及を図り、腐ってしまう食品を減らすことなどがあるという。
もう一度、私たちの便利な食生活を、見直す時期なのだ。
<参考記事>
Reducing food waste could save the global economy $300 billion a year
Food Waste Grows With the Middle Class
文 / 編集部
コメントをお書きください