![グリーンイメージ大賞を受賞した「遺言 原発さえなければ」 (c) NODA Masaya](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=243x1024:format=jpg/path/se1ae36ddcb94ed1c/image/i2fcc2a380cde5be7/version/1428023102/image.jpg)
グリーンイメージ環境映像祭が、3月27日から29日まで日比谷図書文化館で行なわれた。今回上映されたのは、121の公募作品の中から審査で選ばれた11作品だ。原発事故、環境汚染の告発、ダム、野生動物などテーマは多岐に渡り、非常に多様性に富んでいたのだが、改めて感じたのは、映像作品が持つ間口の広さだった。もちろん映像の作り手には伝えたいメッセージはあるだろう。しかし作品の見方や読み方を限定されるのではなく、映像のどこに共感するか、何を感じるのか、すべてはその人次第であり、それが映像作品の良さなのだと思う。
観客の頭の中にある欠片に、新たに映像を見たことで加わる欠片がある。頭の中にバラバラに散らばっているように思える欠片が、ある日、パズルのように合ったりすることがある。また、ある作品での一言のセリフが印象に残り、別の作品の1シーンを見ていて、ふと思い出されることもあった。映像祭という形を取ることによって、作品同士が互いを照らし合うような、プリズムのような効果を生み出されているのかもしれない。
![審査委員特別賞は「終わりのない道」。公害に苦しむ中国の母を追った作品](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=255x1024:format=jpg/path/se1ae36ddcb94ed1c/image/if0137ec5daa6c6db/version/1428023039/image.jpg)
また最終日の29日には「馬搬」をテーマとした映像上映とシンポジウムも行なわれた。映像のみならず、実際にその現場にいる人達の声が聞けることの意義は大きい。映像祭の尾立プロデューサーの話によれば、将来的には、作品上映だけでなく、ワークショップやトークショーなど、人と人が出会い、交流する場も増やしていきたいとのことだ。
ますます立体的に、場として広がりを持つであろう映像祭だ。来年も期待したい。
取材・文 / エコロジーオンライン 遠藤香織
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