私たちの身近な場に再生可能エネルギーが増え始めました。よく新聞でメガソーラーの記事も見かけますし、クルマや電車に乗っていると、「え、こんなところに!」といった場所に太陽光発電を発見します。
全国で大きな太陽光発電所が増えていることに対し、国が補助金を出していると勘違いしている人も多いのですが、実際のところ、これらの施設に国の補助金は使われておらず、私たち自身が電力料金を通して支援をする形になっています。
お手元にある電力料金の明細書を見てもらうと「再エネ発電賦課金」という項目があるのがわかります。正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」というもので、電気を使うすべての人が負担し、毎月の電気料金の一部として請求されています。
「再エネ発電賦課金」は電気の使用量に応じて増減し、その月の電気の使用量に全国一律の単価をかけて算出されています。
再エネ発電賦課金がつくるエネルギーの未来
ちなみに27年4月分のエコロジーオンラインの電力料金を見てみると再エネ発電賦課金として60円が計上されていました。この月の電力使用量が80kWhですから、1kWhあたり約75銭が上乗せされる形になっています。太陽光発電の電気を自家消費しているのでこの金額ですが、300kWhと言われる一般家庭の平均値で計算すると225円。多くの家庭ではこのくらいの金額を電力料金として支払っていることになります。
こうして集められた「再エネ賦課金」は、電力会社が再生可能エネルギーの電気を買い取るための費用に回され、最終的には再生可能エネルギーの電気をつくっている人たちに届きます。
私たちがこうして負担することで、全国各地に再生可能エネルギーの発電所が増え、脱原発や、地球温暖化防止、エネルギーの自給率を高めることなどにつながっています。
知っておきたい電力メニュー
他の電気料金についても解説しておきましょう。まず、電気料金には契約の種類があって電力会社によって異なったメニューを持っています。東京電力に関していえば従量電灯、朝得プラン、夜得プランなど、その家族の暮らしにあわせたお得な料金メニューが用意されています。
さて、この先は一般的な契約の従量電灯を例にとって話を進めましょう。まず、電力料金表は、基本料金、電力量料金、燃料費調整額、再エネ発電賦課金、口座振替割引で構成されます。再エネ賦課金はすでに紹介しましたのでその他についてご紹介しましょう。
【基本料金】電気を多く使うか、少なく使うかによって契約アンペアが決まります。アンペア数が多いほど基本料金が高くなり、毎月、固定の金額が請求されます。東日本大震災以降、契約アンペアを下げるアンペアダウンという活動も全国に広がりました。
【電力量料金】検針したメーター指示数から前回検針時のメーター指示数を引いて算定された使用量(kWh)に料金単価をかけた金額が電力量料金です。省エネ推進の観点から3段階の料金制度になっていて、電気を使えば使うほどその月の料金が高くなります。120kWhまでが19円43銭、120kWh~300kWhまでが25円91銭、300kWh以上が29円93銭になっています。
【燃料費調整額】化石燃料の価格変動を電気料金に反映させるため、その変動に応じて毎月自動的に電気料金を調整する制度です。まず、3か月を平均した燃料価格を算定し、実際に消費した燃料の価格と比較し、多かった場合は電気料金にプラスされ、少なかった場合は電気料金からマイナスされます。
【口座振替割引】口座振替で支払った場合は割引サービスが得られます。
各地の電力会社のホームページを訪ねるとそれぞれ電力料金について詳しく説明されています。来年からみなさんも電力会社が選べるようになります。一度、じっくり読んでおくとよいでしょう。
編集協力 / 日本住宅新聞
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