なぜ、自分はぜんそくで苦しむのだろう?
多くの人がそんな悩みを抱えて生きている。
ぜ~ぜ~と息苦しくて眠れないぜんそくの子どもを看病することほどつらいことはない。ぜんそくのようなアレルギー疾患にならなければ、どれだけ違った人生を送れるだろうという子どもも多く存在する。
ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などの発症に、私たちを取り巻く環境が大きく左右するのではないかという調査が始まっている。それが環境省のエコチル調査だ。
この調査は2010年から始まり、すでに5年の調査を実施してきた。
その5年を振り返ったメディア向け報告会が6日、東京都千代田区にあるイイノホール&カンファレンスセンターで開かれた。
エコチル調査の正式名称は子どもの健康と環境に関する全国調査。
その中心となる仮説は「胎児期から小児期にかけての化学物質曝露が、子どもの健康に大きな影響を与えるのではないか」というものだ。その関係性を明らかにするために10万組の親子を対象に妊娠初期から13歳になるまでを追いかけていく。
妊娠したお母さんからは血液や尿を採取し、出産後、父母の血液やお母さんの毛髪の採取、母乳や赤ちゃんの毛髪を検査する。その後は半年ごとに質問票を送り、医師による検診をして心身の病気の有無などを調べていく。
すでに1歳~3歳までのアンケートの統計なども出てきており、ぜんそくであれば1歳3%、2歳9%、3歳13%と発症が増えていくことも把握されてきている。アトピー性皮膚炎、花粉症、両親の喫煙、睡眠などのデータも同様だ。
実際に調査対象となる化学物質の総水銀、鉛、カドミウム、マンガン、セレンや、ハウスダスト中の残留性有機化学物質(POPs)との因果関係について明らかになるのが2~3年後。
それ以降、子どもの健康と化学物質との関係が明確になったものについては国の政策に反映していくと言う。この調査を通してアレルギー疾患などで苦しむ子どもたちがひとりでも多く減ることを期待したい。
さて、5周年記念としてエコチル調査の一般向けのシンポジウムも実施される。お台場にある日本科学未来館7階未来館ホールにて1月16日(土)を予定している。特別講演には淑徳大学人文学部表現学科北野大教授を迎え、基調講演やパネルディスカッションを通して、これまでのエコチル調査の結果を発表する。
このシンポジウムの参加については環境省エコチル調査ホームページまでアクセスを。
取材・文 / EOL編集部
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