
EUは日本にくらべて森林管理の仕組みがよくできていると思われてきた。実際に1750年にくらべると森林面積は10%も増えている。
木が増えるとCO2を吸収するわけだから、さぞかし地球を冷ます効果があっただろう。だが実際のところ、EUの森林政策によって0.12度ほど気温が上昇してしまったのだという。
日本でもそうだが植林される木の中心はマツやスギなどの成長が早い針葉樹だ。針葉樹はナラやカシ、シラカバなどの広葉樹にくらべて葉の色が濃い。そのために熱をよく吸収してしまう。当然、育っていく間にはCO2も吸収しているのだが、全体で見ると吸収する熱の方が上回ってしまう。その点、広葉樹は熱を吸収しづらい。植林をする際にCO2の吸収という観点だけでなく、木の色や水分、土壌の変化にも気をつけるべきだと専門家は指摘する。
日本でも針葉樹林を広葉樹林に戻すことなども検討されはじめた。気候変動時代に適応した森林管理技術が求められているのだ。いかに長期的な視野で森林を管理していけるか。人間の英知が世界各地で試されている。
<参照リンク>
Europe's shift to
dark green forests stokes global warming-study
翻訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所
コメントをお書きください