山からの家づくりを提案する宮城県のスモリ工業株式会社が新たなる取り組みに乗り出す。宮城県大郷町の廃校を譲り受け、家づくりのノウハウを学べる家づくり学舎を始めるという。5月開校予定だ。
同社は岩手県の林業関連団体と連携し、森づくり、伐採、製材、プレカットを現地で行い、現地の職人が施工地を訪れて家を組み立てる、山からの一貫体制の家づくりを手がけてきた。
また、この家づくり学び舎事業に先立ち、Self・ieというブランドの家を企画した。この家のコンセプトは「育てる家」。スケルトン仕上げ、1階仕上げ、1階2階仕上げの3種類のプランがあり、基本構造は山の職人が担うが、自分たちで考えた間取りをベースに、内装などは施主自らが手がけることができる。
最も安価なスケルトン仕上げでは1階2階ともに自分たちの手で内装を仕上げる。つまり自分たちも職人として家づくりに関わるのだ。だが、職人作業などを苦手とする家族も多い。その人たちの学びのために考えられたのがこの家づくり学舎だ。
須森社長の夢はそれだけに止まらない。スモリの家を選び、職人の良さを学んだ女性や若者が、この学校を通して職人としての技術を習得、ひとり立ちをして職人として仕事を始めることだ。家づくりを通して地域の森を健全にして雇用を生みだす。そして都市では家づくりを担う職人を育てる。こうして森と都市がつながっていく。
エコロジーオンラインが事務局を担う北関東カーボンオフセット推進ネットワークも、スモリ工業の取り組みにカーボンオフセットを提案することで参加した。家づくりで発生するCO2を宮城の森づくりでオフセットすることでさらに環境にやさしい事業に成長した。
スモリ工業の取り組みは、宮城県代表として低炭素杯2016に選出され、全国大会でオーディエンス賞を受賞。宮城だけに止まらない全国区の取り組みとして話題になっている。エコロジーオンラインは今後もスモリ工業の取り組みを応援していくつもりだ。
スモリ工業株式会社
文 / ソーシャルエコロジー研究所
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