東京の中心に70万㎡もの広さをたたえる明治神宮の森。
この地は元は荒地だったが明治神宮の設営に伴って森林をつくることとなり、全国から集められた樹木でおよそ100年後に豊かな森林になるように計画されたいわば〝人工の原生林〟といえる世界に類のない森林だ。
入場も制限され、動植物を持ち込まず持ち帰らないことが基本とされていることから、絶滅危惧種に指定された貴重な生き物も生息している。この明治神宮の森が2020年には造園から100年を迎える。
森をつくった先人たちの意思を受け継ぎ、次の100年に向けて活動している「いのちの森」(野中ともよ代表)は昨年12月から、「明治神宮いのちの森 いきもの図鑑」プロジェクトをスタートした。
多くの人々に明治神宮の森に興味を持ってもらい保護を促進していくことを目指し、子ども・若者を中心に一般市民が明治神宮の森に生息する動植物を写真に撮影し、WEBサイトで公開していくプロジェクトだ。
同プロジェクト実行委員会は3月10日、昨年12月の第1回ワークショップで撮影された動植物をまとめた小冊子の完成を記念し、東京・渋谷のSHIBUYA PUBLISHING&BOOKSELLERSで、トークイベントを開催した。
野中代表と、プロジェクトで写真撮影をアドバイスしているカメラマンの阿部雄介さん、さらに芸能界随一の生き物好きで知られるお笑いコンビ・ココリコの田中直樹さんをゲストに招き、ワークショップの様子などを紹介した。
トークイベントでは阿部さんが収録された動植物の撮影の様子などを紹介。
「いきもの図鑑」の冊子には29点の写真が収録されているが、ほとんどがワークショップに参加した子どもたちが撮影した。カメラは超精細に撮影できるauのスマートフォンisai vividを使用。
珍しいコケやキノコなどの小さなものも実際に目で見る以上に確認できるそうだ。
『図解 生き物が見ている世界』(学習研究社)の著書もある田中さんも「明治神宮は子どもの七五三でお世話になったが、人工的につくられた森だとは知らなかった」と驚いた様子だった。
「明治神宮の森はもうすぐ100年になるが、私たちは次の100年を考えなければならないミッションがある」と野中代表。
4月のアースデイからは、一般市民も参加できるワークショップを本格的にスタートし、図鑑を充実させていく予定だ。
今回完成した冊子は渋谷区内の小学校に配布したほか、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSや区内のカフェなどで、無料で配布している。
WEBサイト=http://ikimono-zukan.jp
※今後、ワークショップに参加した様子なども随時リポートします。(大川原 通之)
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