
恐竜が絶滅したのがおよそ6,600万年前。
その1,000万年後、現在と同じレベルでCO2が増えた新世温暖化極大(PETM)が起きる。海底のメタンハイドレートなどが融解し、温暖化ガスの大量放出があったとされている。
地球温暖化で起こる現象を予測する恰好の材料となるPETMだが、この時期に地球の平均気温は5度上昇し、海水が酸性化し、海洋生物たちに大きなダメージを与えた。
化石燃料を大量消費する現代社会は、そのPETMの時期を上回るペースでCO2の排出を続けている。そのことを明らかにしたのはアメリカの研究チームだ。ニュージャージー沖の海底の小さな海洋生物の化石を分析することで突き止めた。
国連の研究では、今世紀中に気温上昇が4.8℃に達する可能性も指摘され、たび重なる異常気象だけでなく、PETMの研究から海水が酸性化してロブスターや牡蠣などが殻をつくることが難しくなると予想されている。我々に残された時間は少ない。
コメントをお書きください