水の中の動物に出会う。 水の中の散歩、水族館へ行こう

水の中の散歩、水族館へ行こう

 

陸上で暮らしている私たちにとって、水の中に住む動物たちのくらしぶりを観察する機会はなかなかありません。その点、気軽に水の中の自然が楽しめる水族館は、さまざまな水生動物に間近で出会える所。最近では、巨大なトンネル型水槽や、魚が回遊できるドーナッツ型水槽など、楽しい展示もどんどん増えていますね。さあ、美しい水中の世界をのぞきに出かけてみましょう。

どうやって魚を集めているの?

 

水族館にいるたくさんの生き物。実は、飼育係の人が磯へ出かけたり、海にもぐったり、漁船に乗せてもらったりして、自分たちの手で採集してくるものが多いのです。自分たちでつかまえることで、その生き物がどんな自然環境で生きているかがわかり、なるべくそれに近い環境で飼育することができるというわけ。もちろん、すべてを自前でつかまえてくることはできませんから、漁師さんからゆずってもらったり、水族館どうしで交換したりといったことも…。魚集めも大変なんですね。

 

水槽の水は、なぜいつもきれい?

 

海の生き物に欠かせない海水。海ぞいの一部の水族館を除けば、ほとんどが外洋でくんできたものが使われています。水槽の水は、そのまま放っておくとやがて汚れ、魚の命にも関わるため、巨大なろ過システムで、24時間休むことなくきれいにされます。また、水生動物にはそれぞれ生きていける最適な水温があり、ちょっとした温度の違いも命取り。水温をコントロールする機械が、水槽ごとに水温を細かく管理しています。

 

飼育係は板前さん?!

 

飼育係は水族館を支える裏方さん。それぞれの担当ごとに、動物たちの健康状態や水槽施設に異常がないかをチェックしたり、ショーを見せる動物の調教、水槽の清掃などをしたりと大いそがしです。また、動物に与えるえさの魚をおろして切り分けるのも大事な仕事。えさになる魚をいいかげんに切ったのでは、水の中に入れたとたんにくずれて水が汚れてしまうからです。包丁さばきの腕前も大切なんですね。

イルカにどうやって演技を教えるの?

そのポイントはえさとホイッスル。調教の最初は、飼育係がイルカに手でえさを与えると同時にホイッスルを吹くことから始めます。そうするとイルカは「ホイッスルの音→えさがもらえる」ということを覚えます。次に、イルカがジャンプなどの動作を行った時に、ホイッスルを吹いてえさを与えるようにすると、イルカは「ジャンプ→ホイッスル→えさ」と考えるようになります。これができたら、手ぶりによるサインやボールなどの道具を少しずつ組み合わせていき、演技を覚えさせていくというわけ。デビューまでには半年~1年という長い時間がかかります。

 

ペンギンは暑くないのかな

 

ペンギンといったら南極にいる動物のイメージ。暑い日本の夏でも大丈夫だろうかと心配になってきますね。確かに、世界に18種類いるといわれるペンギンはすべて南半球に住んでいますが、南極にいるのはコウテイペンギンとアデリーペンギンの2種類だけ。日本にいるペンギンの多くは、フンボルトペンギンなど、南極以外の出身ですから、暑さはそれほど気にならないようです。

 

一生休まず泳ぎ続けるマグロ

 

ドーナッツ型の水槽の中を休みなく泳ぐマグロ。一体、いつ休むのでしょう? 実は、彼らはウキブクロが未発達なので、泳ぎをやめたら沈没してしまいます。おまけに、エラブタを動かすことができないので、泳ぎながら水を口の中に流し込んでいないと窒息してしまうというわけ。泳ぎ続けるために生まれてきたこの魚のスピードは相当なもので、海の中を時速100km以上の猛スピードで高速遊泳することもあるのです。

オスが子育てする、タツノオトシゴ

 

ユーモラスな体つきや泳ぎ方で人気のタツノオトシゴもれっきとした魚の仲間。実は、ユニークなのはそれだけではありません。何とオスが卵をかえすのです。というのは、タツノオトシゴはオスがお腹に袋を持っていて、メスはその中に卵を産むからです。卵はこの袋の中で無事にかえり、ふ化したかわいい赤ちゃんがそこから出てくるというわけ。まさに、父親のかがみといったところでしょうか。

 

ラッコがクルクル回るわけ

 

ラッコのふるさとは、こごえるような北の海。それなのに、体温を保つための皮下脂肪がほとんどありません。そこで、いつもせわしなく体を回して、毛の中に空気を取り入れて体温が下がらないようにしているというわけ。また、寒さに負けないエネルギーをたくわえるために、1日に自分の体重の約20%にものぼる量のえさを食べます。キミの体重の20%といったら、一体何キロになるでしょうね。

 

>>魚のふしぎ大発見!


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