そらべあの誕生は、お台場に10キロワットの太陽光発電施設を生み出すことだけに止まらなかった。
ZEPPをグリーン電力証書化したのと同じ仕組みをつかって、グリーン電力証書の事業が始まった。
青森県六ケ所村の風車から生まれたグリーン電力を活用して、大手企業の社員総会がどんどんグリーンに変わっていった。
そらべあが全国に届けるグリーンパワー
そしてもう一つ新しい事業が始まる。それが「そらべあ基金」というNPO法人だ。
このNPOの主な事業は、個人や企業に呼びかけ全国の保育園、幼稚園に太陽光発電を寄付することだった。その活動を「そらべあスマイルプロジェクト」と名付け、地球温暖化で氷が割れ、お母さんとはぐれて泣いている子グマのなみだを止めようというシナリオをつくり活動を始めた。
その活動は現在、全国に50基以上のそらべあ発電所を生み出し、発電所で生まれたグリーン電力で学び、遊ぶ何千人という子どもたちを送り出してきた。
グリーンパワーを身近に感じてもらうために
15年にわたって様々な団体と協働しながら再エネを育ててきたエコロジーオンラインだが、東日本大震災以降、その動きに変化があらわれた。きっかけは、あるイベントでの女性参加者の一言だった。
そのイベントは、東京都内で開催された市民による電力づくりの勉強会。チェルノブイリ事故をきっかけに生まれたドイツの市民電力を紹介する映画を見た後に、エコロジーオンラインの体験や、全国の市民発電所の取り組みについてレクチャーをした。そのあとの質問の時間で若い女性からこんな発言があったのだ。
「原発以外のエネルギーを増やしたいと思って参加したのですが、自分の家はアパートだから屋根に太陽光発電は設置できない。お金にも余裕がないから、市民発電所に出資することもできない。こんな私は何をすればいいでしょう?」
それに対して「こうしてセミナーで勉強をして再エネの大切さを多くの人に広めることも重要なこと」と応じることで、イベントは終了した。
だがその後、その時の彼女の質問が胸に残り、くすぶり続けた。彼女は再エネに対する思いを、いまも持ち続けてくれているのだろうかという問いが、心のなかから消えなかったのだ。
そんなときに見つけたのが、手軽に持ち運べる大容量のリチウムイオンバッテリー「スゴイバッテリー」だった。このバッテリーとソーラーパネルをセットにすれば、手頃な資金で家庭でも楽しめる発電所がつくれるかもしれない。
早速メーカーに連絡をしてみると、すでに同じことを考えていた。それなら一緒プロデュースしようということになり、世界一小さな太陽光発電所「ナノ発電所」が誕生した。
文 / エコロジーオンライン理事長 上岡 裕
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