エコロジーオンラインは「地球環境をまもる」という大きなミッションのもと、暮らしのなかの小さなエコの啓発から、国境を越えた自然エネルギー支援まで、とにかく活動が多岐にわたります。
そのテーマをわかりやすくいくつかにまとめるとするなら、「メディア」「森づくり」「自然エネルギー」あたりになると思います。
森づくりを手がけるForest Good
「メディア」の取り組みについては、企業広告に依存しない市民による情報発信を16年にわたって手がけてきました。核となるウェブサイトのアクセス数は、年間20万PV前後。驚くほど多いというわけではありませんが、地球温暖化などの情報を求めている人たちには知られた存在です。こうした核となる情報発信の「メディア」を持っていたこともあって、「森づくり」や「自然エネルギー」など具体的な事業に展開してきました。
「森づくり」に関しては昨年から林野庁と協働して「間伐・間伐材利用推進ネットワーク」という団体を立ち上げました。この団体は、間伐・間伐材の普及を通して、国内の森林の健全にすることが目標です。間伐の重要性を幅広く訴えるため、Forest Goodというブランドを立ち上げ、女子美術大学の学生のみなさんと連携し、キャラクターづくりや映像での発信を始めています。
日本の森林が間伐など人の手が入らなくて困っているのに対し、途上国の森林は無秩序な伐採に翻弄され、森林の荒廃が進んでいます。世界の森林を守るためにも、違法伐採された木材の流通や、エネルギーとして非効率に活用される薪や炭の量を減らしていかなければなりません。使うか・使わないか。国内と海外の森づくりの課題はこのような大きな隔たりがあるわけです。
「自然エネルギー」から「森づくり」へ
「自然エネルギー」プロジェクトでは、防災・減災用として活用できる小さな太陽光発電や、太陽熱調理器によるグリーンパワーの啓発を手がけてきました。親子向けの啓発ツールでは資源エネルギー庁とも連携。「ヤマネのナノのぼうけん」という絵本も出版しています。
単なる普及啓発活動に止まらず、実際に欲しいと言ってくれる人の手に良い商品を届けたい。そんな思いから小さなエネルギー機器の販売も始めました。その事業を担うのが里山エネルギー株式会社です。最近では、エコロジーオンラインのエネルギー部門としてあちこちから声がかかるようになっています。
そんな里山エネルギーの活動に共感した方から、マダガスカルの森をまもるための商品を開発しましょう!と声がかかりました。マダガスカルでは調理用に薪や炭を使います。森から生まれた貴重な資源を効率的に燃焼させる調理器具や、もみ殻やオガクズなどの廃棄物からエコ燃料を開発し、少しでも伐採される木々を減らそうというのです。このアイデアはその後、JICAに認められ「中小企業海外展開支援事業~基礎調査~」に採択されることになります。
こうして「自然エネルギー」のプロジェクトが「森づくり」につながり、私たちのネットワークで日本と世界の森づくりにチャレンジすることになったのです。
Forest Good 2016 間伐コンクール始まる。
この夏、マダガスカルの事業が本格的に始まりますが、国内の事業をおろそかにするわけにはいきません。国内の取り組みで手がけるメインの事業は「間伐・間伐材利用コンクール」です。
間伐の実践や間伐商品の開発、間伐教育を手がける全国のトップランナーを集め、顕彰し、その取り組みが全国に広がるお手伝いをします。そのコンクールを盛りあげるため、今年は「間伐PR動画・映像」も募集しています。
読者のみなさんの会社でも、間伐材を活用した家づくりを手がけたり、地域の森づくりに関わったり、そうした映像を活用して広報するケースもあるのではないでしょうか。
Forest Goodにとってそうした取り組みを手がける全国の仲間たちとのコミュニティづくりも大きな仕事の一つだと思っています。この機会にみなさんの取り組みを全国区にしてみませんか!締め切りは9月9日。エコロジーオンラインが責任を持ってエスコートいたします。
文 / 上岡裕
(協力:日本住宅新聞)
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枝中栄治 (金曜日, 02 9月 2016 11:47)
林業の衰退が唱えられて久しく、私の住む四国でも手入れの行き届いた山林、自然と人々の暮らしが美しく調和して見える里山、という風景は少なくなっていると思います。
特に、間伐が行き届かないどころか、ずいぶん長く放置されている感じの針葉樹林、竹林に侵略されっぱなしの山林など、林業と縁の遠い私には指をくわえて見ているしかないのも情けないのですが。
そんな中でも、私どもの活動を通して、バイオマス発電を知り、そのプラント業者さんから「竹を炭にして燃料として使えるようにしている会社がある」と教えていただいたり、
「森の栄養が物理的に届かない状況にしてしまった今、我々の力で川や海に森の栄養を届けるべきだ。」という研究で成果を出している方にも出会いました。
日本人は、この国の独特な地理地形気候の中で、知恵を絞り、技術を編み出して何らかの対策をしてきた国民なんだと改めて思いました。今の日本の環境技術は、変動する社会環境の影で、縁の下で「忍ぶ不忍」人々の暮らしを支える、まさに忍者の技術だと思います。
それでも、森づくり、森の整備は大切です。私たち一般民が「間伐」の大切さを知り、日本全体里山化を目指すくらいでちょうどいいのかもしれません。
環境に大切なことを人々に、知らせること、広げることも担っているエコロジーオンラインの活動が、ますます充実していくことを願っています。