
フランス政府が2020年までにプラスチックの使い捨て食器の販売を禁止することを決めた。7月に実施されたレジ袋の廃止に続く大きな一歩だ。
スプーン、フォーク、カップ、皿などのプラスチック食器は禁止されるが、生分解性で地域のコンポスト施設でリサイクルできる食器については販売を認めるという。
京都議定書を決めた後の日本も世界の環境活動をリードすべく、地球温暖化防止の国民運動など様々な事業のチャレンジした。昨年末にパリ協定を決めたフランスだからこそ、ここまで踏み込んだ政策を実現できたと言えるだろう。
プラスチックゴミによる海洋汚染が叫ばれて久しい。海洋に流出したプラスチックごみが潮の流れに乗って他国の海岸に漂着し、ゴミで海岸を埋め尽くすことも多くなっているが、海洋生物にプラスチックゴミが巻きついたり、飲み込んだりすることによる生態系の破壊も進む。
それをストップさせるため、各国のNGOが連帯して行動することも始まった。このフランスの動きも脱化石することによる地球温暖化防止や、生態系の保全につながるとしてNGOからの評価は高い。だが、プラスチック食器を生産する産業での雇用の喪失や、使い捨て食器を使う貧しい家庭の支出が増加するのではないかという批判もあるのも事実だ。
社会的な痛みを抑えながら、どのように脱化石社会をつくっていくか。その取り組みが地に足をつけるまでにはしばらくは混乱が続くだろう。しかし、地球温暖化による異常気象などの頻発を考えると、こうした障害を乗り越える努力が必要となるだろう。
フランス政府の動きがどのように世界に影響を与えていくかしっかり見続けていきたい。
<参照リンク>
New law will force French picnickers to pack heavier
翻訳 / 文:ソーシャルエコロジー研究所
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