間伐・間伐材関係19団体で組織する間伐・間伐材利用推進ネットワーク(会長=佐藤重芳・全国森林組合連合会会長)はこのほど、本年度の間伐・間伐材利用コンクール受賞者を決定。東京都内で10月21日に表彰式を開催しました。
本年度の〈製品づくり・利用部門〉では、中林建設株式会社(大阪市)の「全天候フォレストベンチ工法」が林野庁長官賞を、NPO法人つくしん棒の「YUMEITA(夢を意識する学習机の天板)」が間伐ネット会長賞を受賞。〈間伐実践・環境教育部門〉は、とよた森林学校(豊田市産業部森林課)が林野庁長官賞、ぼくらと森のかけはしプロジェクト(株式会社鷲見製材)が間伐ネット会長賞を受賞しました。
本年度のコンクールは、全国から〈製品づくり・利用部門〉に31点、〈間伐実践・環境教育部門〉に26点の応募がありました。
〈製品づくり・利用部門〉で林野庁長官賞を受賞した中林建設「全天候フォレストベンチ工法」は、従来コンクリートが使用されている斜面防護に間伐材を利用。植樹と土留壁表面化粧材の間伐材使用によって、景観性の向上と間伐の促進につなげています。地元の間伐材を使うことで住民参加型の森林保全・間伐材利用を実現しているということ。
間伐ネット会長賞のつくしん棒「YUMEITA(夢を意識する学習机の天板)」は、小学校の学習机の天板を保護するための取り外し可能な板で、児童は6年間同じYUMEITAを使用する。間伐材を使い捨てではなく恒久的に使える取り組みとして考えています。YUMEITAの裏に児童は毎年の目標を記入し、卒業時には記念品として児童に贈られる仕組みです。
〈間伐実践・環境教育部門〉の林野庁長官賞「とよた森林学校」は、愛知県豊田市が2005年の広域合併によって森林が68%を占めることになったことから06年にスタート。間伐を実践する人を育てる人材育成コースと、市民の森林・林業の理解・支援を促進する森の応援団コースを設けています。校舎を持たず現場で学ぶことを方針に掲げ、これまで講座修了生によるボランティアグループが9団体誕生するなど、持続的な活動に繋がっているそうです。
間伐ネット会長賞の「ぼくらと森のかけはしプロジェクト」は、森林県の岐阜県の子どもたちと保護者に、山や林業の現状と守り育てることの大切さを知ってもらおうと、2011年にスタート。全4回で伐採から製材、販売までを見学・体験します。第3回目では、子どもたちがグループに分かれて、ショッピングモールで自分たちがつくった割り箸をアピールを工夫しながら販売する体験活動も行いました。
表彰式ではそのほか、間伐ネットの事務局を務めるエコロジーオンライン・上岡理事長が、Forest Goodの取り組みを紹介。女子美術大学の学生との協働で誕生したマスコットキャラクターやかんばつ体操、現在も募集している間伐PR動画・映像なども紹介しました。
取材 / 文:大川原通之
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