8年間の任期を終えるオバマ米大統領がサイエンス誌に気候変動とクリーンエネルギーに関する論文を寄稿した。
オバマ氏はその論文で4つの理由をあげてクリーンエネルギー化の流れが止まることはないと主張。トランプ大統領による短期的な政策の変化はあっても、温暖化防止のための新技術の開発など、この分野でアメリカが世界を牽引することが国益に資すると力説した。
オバマ氏は理由としてあげたのは次の4つだ。
①CO2を減らしてもアメリカの経済が成長したこと。
②プライベートセクターで温暖化対策が進んでいること。
③化石燃料に対してクリーンエネルギーの競争力がついたこと。
④パリ協定を機に世界の潮目が変わったこと。
アメリカは2008年から2015年にかけてエネルギー分野からのCO2の排出を9.5%減らした。それにも関わらず経済は10%の成長を遂げている。気候変動対策に関わる業界では220万人の雇用が生まれ、化石燃料に関わる雇用110万人の2倍に成長。再生可能エネルギーの発電コストも下がり、アメリカを代表するGoogleやウォルマートのような企業が化石燃料からの卒業を発表した。
オバマ氏はこうして環境保護と経済成長が両立することを示し、次期大統領のトランプ氏に対して環境関連ビジネスの将来性について訴えた。エリートに対する反発から生まれたトランプ大統領だが、誰がどう見てもエリートビジネスマンであることは間違いない。クリーンエネルギーを中心とする環境関連ビジネスがアメリカにとって美味しいことを知れば乗ってこないはずはない。オバマ氏の投じた一石が次期政権にどのような影響を与えるか。しばらくは目が離せない。
<参照リンク>
The
irreversible momentum of clean energy Barack Obama
翻訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所
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