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設立当初、太陽光発電やLED照明が、ここまで地域社会にあふれることを僕らも想像していなかった。
電気自動車だって同じだ。
今は確かに少ない。でも、あと数年も経てば、電気自動車を選ぶ人たちがまわりに増えていく。そういう風に時代は動く。
私たちは産業革命以降、化石燃料を中心に電気や交通に関わるエネルギーをまかなってきた。そのシステムが今、我々の目の前で変わろうとしている。2020年までに化石燃料の需要がピークを迎え、需要が下がり始めるというのだ。
化石燃料のほぼ半分は電気と自動車によって消費される。そのため太陽光発電と電気自動車の成長は化石燃料の需要に大きな影響を与える。
今回、Grantham Institute at Imperial College LondonとCarbon Tracker Initiativeが太陽光発電と電気自動車の成長によって起こる社会の変化について調査を行った。
その調査によれば、化石燃料はこの10年で、太陽光発電と電気自動車に10%のマーケットを奪われる。市場が10%失われるということはどんな意味を持つのか。前回、化石燃料のマーケットが10%の減少を経験した時にはアメリカの石炭産業が崩壊したという。
ソーラーパネルから生み出された不安定だと言われる電力が、電気自動車の蓄電池に貯められ、安定的に化石燃料の役割を奪っていく。こうして太陽光発電を活用する電気自動車が成長するだけで、2025年までに一日当たり2百万バレルの石油が活用されなくなる。これは2014年から2015年に起きた石油価格の大幅な下落と同じ規模の損失になるという。
ソーラーパネルと電気自動車の低価格化によって大きく社会のあり方が変わる。日本でも東京オリンピックをきっかけに再生エネルギー由来の水素の活用が進んでいくだろう。
私たちが大きな文明の転換点にいることは間違いなさそうだ。
<参照リンク>
Coal and oil demand to peak by 2020, according to new report
翻訳・文 / ライツフォーグリーン
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