
2019年になりました。
エコロジーオンラインは昨年、新エネ大賞をいただくところからスタートし、年末には地球温暖化防止活動で環境大臣賞もいただきました。
18年にわたって地球温暖化や自然エネルギーの普及に取り組んだところが評価されたのだと思います。立ち上げ当初から、こうしてお付き合いいただいた教授をはじめ、僕らの活動を支えてくれる皆さんがいなければいただけなかった賞だと思っています。
ただ、僕らの活動が評価をされたとはいえ、地球環境が良い方向に向かっているかというとそうではありません。環境保護の先駆者たちが予想したように様々な問題が複合的に重なりあい、解決不能な問題へと転換し始めています。
エコロジーオンラインは、Facebookやツイッターで、地球環境問題に関わるニュースのシェアをずっと続けていますが、ここしばらくで最もショッキングだったのが食塩のプラスチック汚染の問題です。
この研究は、韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームが、塩に関する研究を活用してまとめたもの。その分析によれば、調査対象となった食塩39品目のうち、36品目でマイクロプラスチックが検出されたというのです。分析対象となったのは、ヨーロッパ、北米、南米、アフリカ、アジアの合計21の国と地域から集めた塩のサンプルです。イギリス沖で採取されたヨーロッパホタテガイにマイクロプラスチック汚染の可能性が指摘されるなど、プラスチック汚染のニュースは世界の注目の的になっています。
地球温暖化の原因の一つである化石燃料をつかった火力発電は大気汚染の形で私たちの呼吸器に戻って来ます。そのせいで毎年100万人を越える人たちが命を落としています。私たちの暮らしを豊かにしたプラスチックはマイクロプラスチックという形で食物連鎖で私たちのカラダに戻って来ます。
>>Europe’s dirty air kills 400,000 people every year
マダガスカルでは国の象徴でもあるバオバブの木がかれ始めています。原因はわかっていないのだそうです。私たちが生み出した様々な形のゴミや化学物質が異常気象や水や食料の汚染として自然界を襲います。私たち人間もその一部です。自分たちが生み出したものによって自分たちの首をしめている。そろそろこういう「負の連鎖」を終わりにしないといけない時期なのだと思います。
>>Ancient Baobab trees in Southern Africa are dying. Scientists blame climate change
さて世の中はSDGsが大流行。大企業が参加する経団連からお笑いの会社まで取り組んでいます。SDGsは日本語でいうと「持続可能な開発目標」。景気よくSDGsが語られているけど、地球を持続可能にする環境汚染対策は先送り!なんてことになったら、本末転倒。しっかりと見つめていきたいものです。
*本原稿は「RADIO SAKAMOTO」出演時のコメントを再編集したものです。
<参照リンク>
RADIO SAKAMOTO
エコロジーオンライン理事長 / 上岡 裕