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かわいい「ラッコ」はどこへ行った!?

ラッコ / 海獺 / Sea otter

水族館で人気のラッコが、絶滅危惧種?!

その可愛さからもファンが多いラッコ。

水族館などでよく見るイメージがあるかと思いますが、実はラッコは、絶滅危惧種のレッドリストの中でも絶滅の危険が非常に高い「絶滅危惧IA類」に指定されています。

水族館で見られるラッコも、今ではかなり少なくなってきています。

 

 

ラッコってどんな動物?

ラッコは、北アメリカとアジアの太平洋沿岸に生息しています。

日本では、北海道で見ることができます。

 

体重は約15〜45kg、体長は約100〜150cm。

平均寿命は、野生では約15年、飼育下では約20年です。

 

鼻はひし形で、尾は平べったい形。

水の中に入っているときは、鼻と耳を閉じることができます。

顔の毛の色は赤ちゃんの頃は茶色ですが、3歳を過ぎる頃から、年齢を重ねるにつれだんだん白くなっていきます。

 

わきの下のたるみをポケットのようにして、お気に入りの石や食べきれなかった貝などをしまいこむ癖があります。

鳥羽水族館YouTubeにわかりやすい動画がありました。

ラッコは海の沿岸部や、海岸から1km以内の場所に生息しており、一生のほとんどを海の中で過ごします

 

食事をしたり眠ったりするときには、流されないように海藻を体に巻き付けたり、つかまったりするそうです。

ラッコ同士、手を繋いで休むことも。

水族館でも手を繋いでいる姿は大人気。誰もがメロメロになってしまう可愛さですね。

ラッコは食いしん坊?

ラッコは肉食で、主に貝類や甲殻類、ウニ類などを食べます。魚類や海鳥を食べることもあります。

 

皮下脂肪が少ないため、体温を維持するために1日に体重の約4分の1〜5分の1の量の食べ物を食べる必要があります。

ラッコは30kgほどなので、1日に約6〜9kg食べなければなりません。

これは、50kgの人間に置き換えると、1日に10〜15kgも食べるということになります。

驚きの量ですが、ラッコはただの食いしん坊ではなく、生きるために食べているのですね。

 

 

そしてラッコと言えば、貝などの硬い食べ物をお腹の上に乗せた石に叩きつけて割り、中身を食べる行動が有名ですが、住む地域によっては叩きつける必要がないものを食べるため、この行動をしないラッコもいます。

 

水族館では、展示用のガラスや石に叩きつけて割ることも多いようですが、なんと2009年には、愛知県の豊橋総合動植物公園で飼育されていたラッコのヤヨイ(メス・15歳)が、数年にわたりエサの貝殻をガラスに打ち付けて食べていたところ、とうとうガラスも耐えられなくなり、強化ガラスであるにも関わらずヒビが入ったことがあるそうです。

 

ラッコの力を侮ることなかれ。。

ラッコにとって大切な、毛皮と毛づくろい

全身に約8億本もの体毛が生えているラッコ。

特にお腹の毛は、ほ乳類の中でも密度がとても高いと言われています。

ちなみに、人間の体毛は500万本、髪は10万本だそうです。ラッコ、すごい。

 

しかし、すごいのは毛の多さだけではありません。

毛づくろい(グルーミング)をして毛と毛の間に空気の層をつくり、冷たい水が直接皮膚に触れないようにすることで、体温を保つことができるのです。

 

Xで話題になったこのほっぺたをむにむにする可愛い仕草も、毛づくろいだそうです。

 

https://x.com/mayu_kko/status/1556097751934726145?s=20

 

 

冷たい水の中でもラッコが生きられるのは、この毛のおかげなのです。

毛が汚れてしまうと、体温をうまく調節できなくなってしまうため、ラッコは1日5〜6時間も毛づくろいをしなくてはいけません。

 

 

この優れた保温機能を求めて、毛皮を目的にラッコは世界中で乱獲されてしまいます。

日本でも平安時代から乱獲され、絶滅寸前にまで数が減ってしまいました。

そこで、明治時代の1912年には、ラッコやオットセイの捕獲を禁止する「臘虎膃肭獣猟獲取締法(らっこおっとせいりょうかくとりしまりほう)」が公布されました。

 

乱獲されたり、漁業の網にかかってしまったり、タンカー事故で流出した原油の被害にあったり、世界中でラッコの生息数が減ってしまった原因には、いろいろなものがあります。

 

 

現在、水族館で会えるラッコは3頭のみ!

1982年、アラスカから静岡県の「伊豆・三津シーパラダイス」に初めてラッコが来ました。

1984年に三重県の「鳥羽水族館」で日本初のラッコの赤ちゃんが誕生したことから、ラッコブームが始まったと言われています。当時は3時間の行列ができるほどの人気ぶりだったそう。

 

しかしその後、ラッコの個体数が減ったために、ワシントン条約で国際取引が禁止とされました。

水族館での繁殖も難しいため、日本の水族館ではラッコがどんどん減っている状況です。

ピークである1994年には122頭が飼育されていましたが、2024年1月現在、日本国内で見られるのは3頭のみとなっています。

 

そのうちの2頭が、三重県の「鳥羽水族館」、

1頭が、福岡県の「マリンワールド海の中道」で飼育されています。

鳥羽水族館は、絶滅危惧種のジュゴンを日本で唯一見ることができる水族館でもあります。

ご興味があれば会いに行ってみてくださいね。

 

 

 

20世紀初頭には、ラッコは2000頭以下にまで減ってしまいましたが、法が制定されるなど保護活動が盛んに行われたことにより、少しずつ生息数は増え、今では10〜15万頭にまで回復しています。

一方、水族館では今後見られなくなってしまうかもしれないと言われています。

 

北海道でも、少しづつ野生のラッコが増えてきているようです。

 

広い海にぷかぷかと浮かぶ、平和なラッコたちに癒されます。

コピー・イラスト / kawe

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