フェリス女学院大学とマダガスカルをつないで行う「現場を学ぶ勉強会」第四回が終わりました。
今年度最終回となる今回は、マダガスカルの社会を支える産業やフランスから独立した 1960 年 代から現在までの経済状況、そして、日本との関係を学びました。
マダガスカルは 1970 年代以降、政治危機の影響を何度も受け、経済規模は大きく縮小しています。経済に大きく影響する空路や海路が衰退し、陸路の整備も進んでいないため、あらゆる産業の発展の妨げになっています。主要幹線道路でつながる地域はマダガスカルの4割ほどで、良好な状態にある道路はその約半分です。特に雨季には、国道であっても道路に水がたまり、通行不可になるところもあります。そして、住民の足となる列車も廃線と線路の老朽化が進んでいます。山間部の道路がない地域では、線路が歩道となり、列車だけでなく、住民が歩いて通る道にもなっています。
後半は、現地のビジネスマンであるアンドニリナさんと中継をつなぎ、経済面におけるマダガスカルのもつ可能性と展望、日本との繋がりについて話を伺いました。「アンドリニナさんの専門である建設業界において、重要視されるべき分野は?」という質問に対し、「マダガスカルでは、道路工事、家の建設やインフラ整備などすべてが、早急な対応が必要とされている分野であり、特に、住居や学校の建築は、日本が優れた技術をもっている分野であるため、ぜひ、日本に協力してほしい」と回答されました。
インフラに関しては、物理的な整備だけでなく、教育や衛生を含む幅広い支援が必要であること、そして、様々な業種間での協力の重要性についても触れられました。日本に滞在経験のあるアンドニリナさんの日本に対する印象やアドバイスについては、「日本は、時間、製品の質、その工程が非常に優れている。改善点をあげるとするならば、多様性や国際性が高まると、もっと世界が広がるのではないか。そして、特に学生の皆さんには、マダガスカ ルやアフリカに行き、身をもって現地の実情を体験してほしい」とおっしゃられました。
フェリス女学院大学 現場を学ぶ勉強会、今年度は今回で最後となりましたが、食料、電力、自 然、交通事情や経済など様々な角度から、現地の方の話を交え、ひとつの国について学ぶことができる、非常に興味深い時間となりました。また、フェリス女学院の若い学生さん達には、マダ スカルについて学び、そして、フランス語や英語、日本語と多言語で話を聞く良い機会にもなったのではないかと思います。ご協力いただいたマダガスカルの皆様、フェリス女学院大学の先生、学生さん、ありがとうございました。
レポート / “チーム・マダガスカル” 谷田晴菜